台湾鉄道、運賃26.8%値上げ決定 台北〜高雄は975元に 2025年6月から新料金

交通部政務次長の伍勝園は本日(7日)、立法院交通委員会において、行政院が台湾鉄道の運賃値上げ案を正式に承認し、2025年6月23日から実施予定であると述べた。(資料写真/洪煜勛撮影)

台湾鉄路(台鉄)の運賃が正式に調整される見通しとなった。交通部の政務次長・伍勝園氏は本日(7日)、立法院交通委員会にて、行政院がすでに台鉄の運賃値上げ案を正式に承認したことを明らかにし、2025年6月23日より実施予定であると述べた。これは台鉄にとって数十年ぶりの大幅な運賃調整であり、その関連措置や社会的な反響についても立法委員から関心が寄せられた。

台湾鉄路料金値上げ決定!台北―高雄間が975元(約4255円)に、この日から実施へ

運賃調整幅は26.8%、1キロあたり1.82元に値上げ

▪️調整後の平均運賃率は1キロメートルあたり1.82元で、現行の1.42元と比べて26.8%の引き上げとなる。

▪️これは近年における台鉄最大規模の運賃改定であり、経営構造の改善とサービス品質の向上を目的としている。

6月23日から正式に実施予定

▪️交通部はすでに行政院に報告し、審査・承認を得ている。

▪️2025年6月23日より正式に実施される予定である。

台湾鉄路値上げの背景:収益不足、収益率はわずか0.3%

政務次長の伍勝園によると、現在の台鐵旅客部門の利益率はわずか0.3%でほぼ余剰金がない。今回の改定は実際の運営コストを反映し、公共交通の持続的発展を確保することを目指している。

国民の懸念:経済不安は料金改定実施に影響するか

政務次長の伍勝園氏は、現在台湾鉄路の旅客部門の利益率はわずか0.3%にとどまり、ほとんど利益が出ていない状況であると指摘。今回の調整は、実際の運営コストを反映させ、公共交通の持続可能な発展を確保することを目的としている。

国民の懸念:経済不安で値上げは延期すべきでは? 立法委員の廖先翔氏は、米国の政策の影響下で台湾の経済が不安定になる可能性がある中で、運賃調整の時期を遅らせるべきではないかと疑問を呈した。これに対して伍氏は、すでに運賃改定が承認されており、予定どおり6月23日に実施すると回答した。

段階的な値上げの提案に対して、交通部はTPASS月間パスなどの補助措置がすでに用意されており、短距離利用者の交通費負担を効果的に緩和できると説明した。

例えば「台北駅〜板橋駅」の場合、値上げ後でも運賃の増加は7元(約30円)にとどまり、それでもバスやMRTよりも安価である。政府はTPASS通勤パスにより、短距離通勤者の負担軽減を図っており、社会の受容性も考慮済みであるとした。また、立法委員からは最近の経済情勢の激しい変動に鑑みて、台鉄は安全対策や職員のメンタルケアにも力を入れ、突発的な事態が運営や従業員の健康に影響しないよう対応すべきとの指摘もあった。

台湾鉄路・自強号(特急列車)の最新運賃

(圖/洪煜勛製)
台湾鉄路・自強号(特急列車)の新料金。(図/洪煜勛作成)

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