舞台裏》台湾・国民党主席選挙に激震!盧秀燕が出馬を決意 朱立倫が進むのは「華麗なる転身」の道か

2025-04-16 11:06
台中市長盧秀燕の党首選挙出馬について国民党は一年間議論を重ねてきたが、最近彼女が出馬を承諾した。(資料写真、柯承惠撮影)
台中市長盧秀燕の党首選挙出馬について国民党は一年間議論を重ねてきたが、最近彼女が出馬を承諾した。(資料写真、柯承惠撮影)
目次

民進党は2024年末から、台湾全土でのリコール運動の主導権を民間団体から徐々に取り戻した。その後、総統の頼清徳による「国家安全17条」で中国本土を「国外の敵対勢力」と定義し、空中戦の主軸とし、加えて台湾全土での講演活動による組織戦を展開。国民党はあらゆる議題や活動において押される展開となった。言うまでもなく、国民党による民進党議員のリコール署名活動では、死亡者の名前が多数含まれていたことから、各地の捜査機関が台湾全土の選挙管理委員会に資料を要求するに至り、最近では台北市で民進党の立法委員である呉思瑤と呉沛憶のリコール発起人が呼び出しを受けた。党関係者の一部は、「以前の党産清算は“家の没落”だったが、今回は全国で党職員が拘束・取調べを受けており、“家が滅び人が死ぬ”ような状況だ」と嘆いており、こうした全ての重圧が、実際には党主席の朱立倫に集中している。

4月以降、民進党では相次いで中国スパイ事件が発覚し、いずれも重要政府機関である総統府、国家安全会議、新北市党部などで発生した。さらに、米国による関税ショックも起こり、閣僚の卓栄泰は「よく寝てください」と発言したものの、米国は台湾に対して32%という高率の「対等関税」を発表し、株式市場は一時3,000ポイントの暴落を記録した。これら一連の事件により、国民党には一時的に呼吸の余地が与えられた。しかし、3月全体を覆っていた低迷ムードのなか、迫る党主席選挙に大きな変化が生じた。『風傳媒』の取材によると、台中市長の盧秀燕がすでに党主席選への出馬に同意したという。

20241112-國民黨今日上午在中央黨部,舉辦國民黨總理孫中山159周年誕辰紀念活動,黨主席朱立倫出席。(國民黨提供)
朱立倫(中)が指揮する緑営大規模罷免への対応が弱すぎ、手中に収めかけていた国民党主席再選に影響を及ぼしている。(資料写真、国民党提供)

リコール運動における国民党の士気は極めて低調であり、盧秀燕が責任を担わなければ、将来の総統選挙への道にも影響が出る

実のところ、2024年の総統選後から、盧秀燕が党主席選に出馬するかどうかについて、党内では多くの非公式な議論があった。盧が出馬表明すると噂された時期は3月末から4月初めまで複数存在し、多くのアドバイスが盧の陣営に寄せられた。当時の論点は、盧秀燕自身が“御駕親征”する、すなわち自ら主席選に出馬すべきだというものであった。というのも、過去3回の総統選挙では、国民党の党主席と総統候補が別人であったため、両者の足並みが揃わず、惨敗が続いてきた。盧秀燕が本気で総統の座を狙うのであれば、党主席選への出馬は必要不可欠であり、さらに主席に就任すれば、その党のチームが将来の総統選に向けた選挙陣営となるため、国政課題に早期から備えることも急務とされた。 (関連記事: 舞台裏》台湾・国民党のリコール内戦!国民党支持者の怒りが爆発、朱立倫 vs 盧秀燕?党内対立激化へ 関連記事をもっと読む

もちろん、盧秀燕の出馬意欲が低かった当初、出馬を勧める者や朱立倫に反対する者たちは「代理人候補」に関する議論を多く展開していた。当時、名前が挙がっていたのは中廣元董事長の趙少康、立法院元院長の王金平、国民党元秘書長の李乾龍、台北市元市長の郝龍斌らであったが、いずれも出馬意欲がなかったり、朱立倫との選挙戦が苦戦必至と判断されたりしたため、時期尚早との見方もあり、最終的な決断を盧秀燕が下すのを皆が待っていた。

最新ニュース
「台中〜神戸」直行便就航へ 中台湾4県市が関西で観光プロモーション初実施、魅力発信に本腰
台湾・彰化県が「AI×高級救護」体制強化へ 日本と救急技術を共有し、年内に全エリアへ高級救護員を配置
ホンダ、米国製造に生産移管を検討 トランプ関税回避で北米車の9割「Made in USA」へ
トランプ貿易戦争への対応:韓国が国内企業「保護」のために2兆ウォン予算増額を検討、自国AIを世界トップ3に
人物》台米機密チャネル、潜水艦購入支援、大統領のために参謀総長のお世話 台湾に一生尽くしたアーミテージ
台北MRT石牌駅で無差別刺傷事件 通勤客の女性乗客が背後から襲われる、加害者に罰金10万元
トランプが自らの弱点を露呈したとき、習近平は「危険なカード:7600億ドルの米国債」を切るか?
舞台裏》セブンイレブンが兵家の必争の地に!台湾だけでなく中国も戦時のコンビニ利用を計画:上陸後の補給基地として想定
李忠謙コラム》ワシントンの専門家が警告:台湾が直面する「4つの危機」ーー政治的ゼロサム、民主主義の後退、トランプへの過信、中国との対話拒否
米国債急落の黒幕は本当に中国と日本なのか?市場混乱の真因は「買い手のストライキ」か
農林中金、米国債売却説を否定 「今は収益力再建が最優先」
習近平氏、ベトナム訪問 中越が5G・AI・鉄道で協力強化へ、米中対立にらみ供給網再編
「私たちは自国政府に押しつぶされている!」145%の天価関税が重打撃:電子レンジから知育玩具まで、米国企業と消費者が共に被害
トランプは関税で製造業を救おうとしているが、《WSJ》:アメリカがどのように「負けた」のかをまず理解せよ!
NVIDIA、台湾勢と米国で超巨大AI工場建設へ TSMC・鴻海と提携、AIインフラ生産を本格化
新新聞》台湾・総統府スパイ事件における政商関係を検証 「三重の金城武」邱世元の事業版図が広範囲に
熊本・八代市議会が台湾・基隆市を訪問 友好都市の絆深まる 港湾・観光・物流連携にも期待
和歌山県の岸本周平知事が死去、68歳
舞台裏》台湾の対米関税交渉、重要な90日間 外交部は予算削減…在外公館閉鎖の懸念に頭を悩ます
半導体と電子サプライチェーンは逃れられない! トランプ政権「やはり課税を、そして交渉余地なし」、アジア半導体産業の米国回帰を強制
韋安の視点:トランプが世界経済に「三つの切り込み」 国際政治の主流が「中国包囲」から「アメリカに注意」へ⁉︎
台湾大手旅行会社「雄獅旅遊」が発表!2025年春夏の「日本旅」注目4大トレンド――大阪万博、USJ新エリア、プロ野球観戦、富士登山まで
論評:中央銀行がリスク意識を取り戻し、米国債の保有比率を下げるべき時が来た
米中「相互関税」で経済全面衝突 世界は無傷で済むのか? トランプ政権の強硬策、米企業・世界経済に深刻な打撃
独占インタビュー》日台有事、支援の鍵は「3つの条件」 元空将が明かす自衛隊の出動基準とその裏側
トランプ、同盟国に「自己負担」を迫る 退役“空将”:日本は曖昧な戦略に頼れず、インド太平洋新秩序に積極的に参画すべき
舞台裏》台湾政府高官の元側近にスパイ疑惑 8年間潜伏し機密情報漏洩の疑い
大阪・関西万博》パソナグループのパビリオン「PASONA NATUREVERSE」にアトム降臨 未来医療と命の進化を体感
大阪・関西万博》万博に「間伐材ベンチ」登場 森林資源の循環活用に協力
大阪・関西万博》世界初の水素発電式自販機が万博会場に登場、コカ・コーラ社が導入 災害時利用にも期待
台湾一周中に見知らぬ人からの手助けは忘れられない感動! ハムちょーが断言:台湾では安心し生活できる
台湾の秘境!阿里山を超える人気森林スポット「渓頭」が月間10万人を魅了
日本語学科卒業でも日本での就職に憧れず…縁あってHesterは日本に10年以上滞在
夢を叶えるため日本留学へ、困難から好転まで Hitomiが過去を振り返り新目標を設定
トランプは関税を課すのか課さないのか?世界貿易戦争は終わったのか? 「相互関税」の急転直下を一文で理解
台湾ロックが日本で大人気!50歳の日本人ファンは「拍謝少年」を聴き台湾語を学び始める
中国、対米関税を一気に125%へ引き上げ 「米の数字遊びは世界の笑いもの」と強く反発
厳しい125%の関税を課す!トランプはなぜ中国を狙い撃ちするのか?単なる報復ではなく、背後には1つの計算があった...
大阪・関西万博グルメに注目!「うかい亭×寿司職人」の競演、その場で味わう贅沢ダイニング誕生
東京駅グランスタの人気商品ランキング発表!焼きたてスイーツ&本マグロ丼が大ヒット
「テレサ・テン幻の新曲」数十年ぶりに発見!未発表音源が東京の倉庫で発掘、6月リリースへ
論評:“脱中入北”? 頼清徳の終末への狂詩曲
舞台裏》潜水艦の秘密! 日本の追跡、漁民がクジラと勘違い…海鯤号の海上試験、水中に潜む監視網
台湾鉄道、運賃26.8%値上げ決定 台北〜高雄は975元に 2025年6月から新料金
呂紹煒のコラム》大きな戦略ゲーム?勝手な解釈は中止だ! トランプはあなたが思うほど「先見の明」があるわけではない
相互関税の90日間延期後、『エコノミスト』が「先延ばしの芸術」を語る:トランプは本当に予測不能なのか?
SNS投稿が留学ビザ剥奪の要因に?トランプ政権、留学生とグリーンカード申請者への審査を拡大 「反ユダヤ的言論」でビザ却下も
2025大阪万博》台湾の“未来”と“感性”を体感!大阪万博・TECH WORLD館の見どころ解説
中国人配偶者の国籍取消しは“魔女狩り”? 学者が非難:台湾は暗黒時代に逆戻り、善良な市民の中で「敵を作り出している」
桃園空港が世界トップ50入り 「手荷物サービス」で世界一に輝く―Skytraxランキング2025