舞台裏》セブンイレブンが兵家の必争の地に!台湾だけでなく中国も戦時のコンビニ利用を計画:上陸後の補給基地として想定

普段は人々の生活の友であるコンビニエンスストアは、物資や物流能力を持つため戦時には兵家の必争の地となっている。イメージ図。(AP通信)
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2024年5月の頼清徳総統就任以来、台湾海峡の緊張状況は継続的に高まっており、中国軍が台湾周辺の海空域で実施する大小の軍事演習の頻度は、前総統の蔡英文政権時代を超えている。北京からの強圧的な軍事的威嚇に対して、頼政権は国防面で積極的に戦争に備えるだけでなく、アメリカの督促の下、民間防衛システムを再構築し、社会全体の防衛力強化を進めている。各県市で都市の防災演習を実施し、戦時の軍民協力と地方政府の緊急対応準備をテストしているほか、最近英国『ガーディアン』紙は、頼政権が台湾全土に広がるコンビニエンスストアを、戦争発生後の市民への配給食料や医療用品の配布、情報伝達の戦時ハブとして計画していると報じた。

『ガーディアン』紙が引用した情報源は、2024年6月に頼清徳が総統府に設立した「全社会防衛力委員会」の委員を含む関係者のインタビューからのものとされる。同紙によると、全社会防衛力委員会は戦時シナリオを評価する中で、中国が武力統一を開始した場合、台湾の軍隊と警察は前線に向かって戦い、海空封鎖による交通遮断、インターネットと通信の麻痺といった状況に直面する中、台湾全土に広がる1万3000店以上のコンビニエンスストアが後方で後方支援と社会安定の重要な役割を果たすことができると考えている。『ガーディアン』紙の報道内容について、総統府は具体的な計画はまだないとしながらも、関連する議論があったことは否定せず、民間流通チャネルの協力参加などの意見もすべて重要な参考になると強調した。

總統賴清德6月19日出席「信賴新政,時代新台灣」就職滿月記者會,宣告將成立「全社會防衛韌性委員會」。(顏麟宇攝)
頼清徳総統(写真)が設立した「全社会防衛力委員会」は、確かにコンビニ、物流などの業者が戦時に果たせる機能について議論したが、府側はまだ具体的な計画はないとしている。(顔麟宇撮影)

コンビニの能力を活用することは、全社会防衛力を強化する一つの考え方

総統府の回答態度や、過去の新型コロナウイルス流行期間中にコンビニエンスストアがマスクや検査キットの配布に参加した前例から見ると、台湾全土に密集するコンビニエンスストアをどのように活用するかは、全社会防衛力構築のために真剣に考慮される方向性であることは明らかだ。しかし、地方政府の高官は懸念を示し、台湾のコンビニエンスストアの店員の多くはシフト制のアルバイトの若者で、戦争が始まれば多くの人が動員され入隊することになるため、店舗の継続的な運営をどのように維持し、即座に戦時ハブに転換できるかは、紙上の計画だけでは達成できないと指摘。人員配置、物流の維持、店舗が担当する地域や人口など、すべての詳細について事前に綿密な計画を立て、平時から定期的に繰り返し訓練を行う必要があり、そうでなければ戦争初期の混乱が避けられない状況下では、関連計画を実施することは非常に困難になるだろう。 (関連記事: 李忠謙コラム》ワシントンの専門家が警告:台湾が直面する「4つの危機」ーー政治的ゼロサム、民主主義の後退、トランプへの過信、中国との対話拒否 関連記事をもっと読む

コンビニエンスストアを戦時ハブに転換する構想と実施は、主に民間防衛システムと地方行政の仕事に属し、国軍の防衛作戦と直接の関連はないが、軍側も台湾全土のコンビニエンスストアが戦時に社会の人心と生活運営を安定させる機能を果たすことを歓迎している。軍関係者は、戦争開始後にコンビニエンスストアを通じて民間物資供給を安定させ、情報の流通をスムーズに保つことで、国軍の後方支援システムは軍事作戦に専念でき、民間防衛の支援に心を配る必要がなくなり、調整の圧力が大幅に軽減され、さらに民間の力の継続的な支援を得ることができ、台湾の持久防衛により有利になると述べた。