舞台裏》台湾.桃園市でリコール運動が急展開!軍関係者が方針転換 民進党は心理戦を重視、国民党の固定票に動揺広がる

2025-03-25 13:12
軍系が動揺、桃園が予想外にリコール活動の激戦区となる。イメージ図。(張曜麟撮影)
軍系が動揺、桃園が予想外にリコール活動の激戦区となる。イメージ図。(張曜麟撮影)

台湾の大規模リコール運動が激化し続ける中、台北、新北、台中などの地域だけでなく、桃園市でも予想を超える展開となり、その熱気が高まりを見せています。国民党立法委員の絶え間ない論争や、リコール団体への疑問に対する無関心、さらに「武力統一」発言に対して国民党が「言論の自由」として扱うことで、「マンゴードライ」(台湾独立を意味する隠語)の動きが活発化しています。これにより、桃園の6議席すべての国民党立法委員がリコール署名の第二段階に入り、民進党は桃園での政策説明会で特に国家安全保障問題を前面に押し出し攻勢を強化し、桃園を今やリコール戦の最前線の戦区にしています。

桃園における民進党の状況は、かつてとは大きく異なります。当時の桃園市長鄭文燦は「ひまわり学生運動」(2014年3月に台湾で発生した大規模な学生主導の抗議活動)の波及効果と、最後の桃園県長吳志揚の県府チームメンバーの不正疑惑、そして自身の努力によって市長選に成功し、国民党の鉄票地盤を「青空」(国民党陣営)から「緑地」(民進党陣営)に変えました。その後も再選を果たし、任期満了前の施政満足度はトップ10から落ちることはありませんでした。しかし、2022年の九合一選挙では、鄭文燦が支持した後継者林智堅が論文盗用の嵐に巻き込まれ、緊急の候補者交代も効果なく、民進党は8年間統治してきた桃園市を失いました。2024年の立法委員選挙では、民進党の桃園での議席は「全滅」し、完敗しました。

桃園由前市長鄭文燦(見圖)執政8年,民進黨卻接班失利,2024年立委選舉更被剃光頭。(資料照,顏麟宇攝)
​桃園前市長の鄭文燦(写真参照)が8年間統治したが、民進党は後継者選びに失敗し、2024年の立法委員選挙ではさらに「丸坊主」にされる完敗を喫した。(顔麟宇撮影)

桃園のリコールに民進党も意外な手応え、軍人の動きが主因​

今回の大規模なリコールの波の中で、桃園が最前線の戦区に昇格したことは、民進党にとっても意外でした。国民党桃園市議員の凌濤も率直に、桃園市民の40%がリコール支持を表明し、リコールのハードルが25%であることを考えると、民進党の基本票が大幅に喚起され、国民党は戦略策定において慎重にならざるを得ないと述べています。民進党関係者も、最近6人の国民党立法委員が控えめになり、基層回りを勤め始めたことから、彼らも緊張し始めていることを観察しています。桃園の6議席のうち、牛煦庭、涂権吉、萬美玲の3議席はリコール可能と予測されています。メディアの報道によると、国民党内部の世論調査では、牛煦庭と涂権吉は現在選挙情勢が最も危険な「救済区」立法委員としてリストアップされています。

桃園で国民党立法委員へのリコール機運が高まっている背景には、最近の台湾海峡情勢の緊迫化があります。3月17日には中国人民解放軍が台湾海峡付近で2度の軍事演習を実施するなど、中国からの軍事的脅威が依然として続いていることが要因となっています。桃園は軍事的に重要な防衛役割を担っており、陸軍第6軍団、陸軍専科学校、陸軍249旅龍虎営区、陸軍司令部、陸軍109旅太平里営区、陸軍601空騎旅など多くの軍事拠点があり、「台湾・澎湖防衛作戦」では首都支援の重要な役割を果たしています。中国軍も当地の関連スポットでシミュレーション演習を行っています。

最新ニュース
天気予報》再び寒気団が南下!清明節連休の台湾、気温が10度急降下へ 北部では14度の肌寒さに 現地天気予報に注意
独占》トランプが台湾を「売る」日が来る?台湾元高官が衝撃予測「米中会談は巨大取引の場になる」
李忠謙コラム》トランプ政権復帰2ヶ月 哲学者と政治学者が警鐘「米国はもはや信頼できない」
独占》日台安保関係に新展開 岩﨑茂の台湾行政院顧問就任に続き、小野田治氏が台海問題を講演
中国が台湾海峡で異例の軍事行動 「頼17条」への静かなる反撃か
台湾の老舗コンビニ第1号店が36年の歴史に幕!不動産業者が明かす閉店の裏側
中国、「海底ケーブル切断装置」を開発 南華早報「通信網遮断で世界秩序に影響も」
遺伝より“孤独”が寿命を左右?最新研究で分かった長生きの鍵
舞台裏》台湾、国防の新時代へ「軍は戦闘に専念、市民は自らを守る」全社会レジリエンス訓練が本格始動
台湾在住の中国人インフルエンサー「亜亜」、出国命令に抵抗 “武力統一”発言で居留資格剥奪、ネット炎上も
日米防衛協力の新章:日本、統合作戦司令部を創設し米軍との連携強化へ
AMDが台南に新拠点 “AI島・台湾”構想の鍵に
華人の日本移住がブームに!2026年には100万人突破へ 日本各地に広がる「日本語不要」の街
台湾にルーツを持つ声優・安齋由香里が挑む新たな境地 「温泉むすめ」で台湾文化を伝える
【大阪アジアン映画祭】台湾映画『我家的事』主演4名が"史上初"の同時受賞!感動作に日本観客も涙
「台湾は情熱、日本は繊細」日台ハーフのLaurenさん、世界に台湾と日本の魅力を発信中
【大阪アジアン映画祭】台湾ナイト-台湾映画特集が盛大に開幕
論評》2025年、新ヤルタ協定──トランプ氏・プーチン氏・習近平氏が世界秩序を再構築するのか?
パンデミックが退職計画を変更 在日台湾人TKが千葉でキャンプリゾートを構築
「不登校」問題解決を目指し 日本の高校がメタバース課程導入、アバターで授業参加が可能に
単独インタビュー》東北楽天イーグルス・宋家豪:次の目標は日本プロ野球500試合、200ホールド
日本旅行中の体調不良、どう対処? 旅行KOL・阿倫が「オンライン診療」などのツールを紹介
著書が相次いで受賞 日本の元外交官・垂秀夫:「中国問題」を生涯の志とする
中学時代はテニスに打ち込み、美容師に転身! 台湾の若者が日本で起業、きっかけは木村拓哉のドラマ
【MLB東京シリーズ】大谷人気&限定コラボで過去最高60億円の売上達成!
首都高が台湾・高雄市を訪問 スマートシティ技術の交流で日台連携深まる
ベルギー議会、台湾支持決議を可決 中国の頻繁な軍事演習に非難
微風評》「統一支持=武統宣伝」? 台湾で揺らぐ言論の自由の境界線
台湾・児童虐待事件の公判で死刑存廃論争が再燃 朱立倫氏「民進党は公平正義を無視し、死刑廃止を主張」
封神ブームが台湾で大ヒット!陽明山の姜太公(太公望)道場に若者参拝者が殺到
「教育の権限を親と各州に返還」トランプ氏、アメリカ教育省を閉鎖する大統領令に署名
台北初の「ららぽーと南港」が開業!初日に3万人超の来場 三井幹部「年間売上は100億元突破を目指す」
台湾・司法院の大法官指名作業が終了 院長候補に蔡秋明氏、副院長候補に蘇素娥氏
台湾・新北初のSDGsへの取り組み計画を発表した博物館 十三行博物館が千年の歴史から持続可能な未来へ
井上雄彦の息子がリアル「スラムダンク」に!井上大道、日本プロバスケ入り 父の故郷でプレー
舞台裏》台湾・賴清德総統の厳戒態勢は花蓮王の終焉か?国民党は別の反罷免戦略を打ち出す
【MLB東京開幕戦】ドジャース、カブスを圧倒!大谷翔平、東京ドームで本塁打炸裂!佐々木朗希、MLBデビュー戦で3回1失点
中国、台湾周辺で軍事演習を実施し中間線を越境 米国務省・国防総省が同時に中国を非難:露骨かつ無責任
【台湾・京華城事件】柯文哲、移審後初の弁明!被告4名が同日出廷 台北地裁、警備強化を要請
台湾・国民党が「死刑存続」「戒厳反対」国民投票を提案 民進党:「仮定の国民投票は全く意味がない」
歴史風傳媒》幼児虐待事件カイカイ案はなぜ全民の怒りを呼び起こしたのか?4歳女童が骨を折られ肉を穿通されて7年、台湾は何を学んだのか?
台湾で幼児虐待事件が波紋 「唯一死刑」案に弁護士が警鐘「子どもが永遠に見つからない可能性も」
【MLB東京開幕戦】「大谷キラー」も苦手なことが?台湾のカメラマンが現場でサポート
台北観光人気ランキング発表!西門町が1位、台北101を超える圧倒的人気
一文で分かる》トランプが関税を振りかざし、カナダとEUに制裁!各国の反撃戦略とは?
中国の台湾侵攻リスクが倍増?元空軍将官が日本のミサイル配備に警鐘
台湾・新北大巨蛋の最新設計図が公開 新北市副市長が候補地を明かす:収容人数は台北ドームを超える
【大谷翔平】「金色ロゴ」を着用 MLBでわずか6人だけの栄誉
【MLB東京開幕戦】大谷翔平が二塁打で貢献 ドジャースがカブスを破り新シーズン初勝利
【MLB東京開幕戦】「100年後には誰も覚えていない」今永昇太、チームメイトの言葉で緊張を緩和、ドジャース監督は山本由伸の好調を高評価