日本の元統合幕僚長・岩﨑茂氏が台湾行政院の顧問に就任したというニュースが明らかになったことで、日本の高位退役将官たちが台日間の安全保障問題への関心と関与をより積極的に進めるきっかけとなり、これまでの控えめで非公開な姿勢が変わる可能性があります。《風傳媒》が独自に入手した情報によりますと、岩﨑茂氏と親交のある日本の三ツ星空将・小野田治氏が、4月10日に淡江大学から招かれ、台湾海峡情勢についてのオンライン講演を行うことが確定しました。
小野田治氏は岩﨑茂氏と同様に、長年にわたって日本の自衛隊空軍に勤務しており、両氏ともに自衛隊を退役した高級将校です。岩﨑茂氏は四ツ星将軍として退役、小野田治氏はそれより一つ星が少ない三ツ星空将(航空自衛隊中将)として退役しました。
小野田治氏と岩﨑茂氏は退役後、共に民間の防衛関連研究機関に移り、日本の安全保障政策や戦略に関する深い研究を行っており、この分野において重要な地位を占めています。

また、小野田治氏は日本の経験豊かな元自衛隊高官である渡部悦和氏、尾上定正氏、矢野一樹氏と共に『台湾有事と日本の安全保障-日本と台湾は運命共同体だ』という本を共著し、台湾の地政学的重要性を分析しています。同書では、日本の元首相・安倍晋三氏が提唱した「台湾有事は日本有事である」という視点を引用し、台日間の安全保障関係の重要性を強調しています。
岩﨑茂氏や小野田治氏などの日本の高位退役軍官は、その立場の敏感さから、これまで台湾訪問の際は非公開または非常に控えめな訪問や小規模な講演が多かったものの、近年は台日関係の深化に伴い、状況が徐々に変化しつつあります。
淡江大学日本政治経済研究修士課程の教授である蔡錫勲氏は《風傳媒》の取材に対し、次のように語りました。「岩﨑茂氏が行政院顧問に就任したニュースが大きく報道されたことにより、日本の他の退役高官たちにとって、台湾訪問がより開かれたものになりました。今後はよりオープンな日程で訪台し、自らの見解を表明する可能性が高まり、台日関係にとって良い発展であると思います。」

蔡錫勲氏は、小野田治氏がオンラインでの講演であっても公開で行うことを選んだことは、これまでの台湾海峡安全保障への控えめな姿勢からの変化を示しており、日本の専門家が直接見解を述べることで、台湾社会にとって日本の視点を理解する上で大きな助けになると指摘しています。
編集:梅木奈実 (関連記事: 岩屋外相の「冷静な現実論」 日台関係の真相を探る ~本田善彦・ジャーナリスト~ | 関連記事をもっと読む )
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