台湾・台中メトロ「ブルーライン」正式始動 総額1,600億元超、2034年完成へ

2025-06-30 12:23
台中メトロブルーライン工事始動。今後、既存のグリーンラインと共に東西方向と南北方向を交差する黄金交差点のメトロネットワークを構築する予定。(写真/台中市政府)
台中メトロブルーライン工事始動。今後、既存のグリーンラインと共に東西方向と南北方向を交差する黄金交差点のメトロネットワークを構築する予定。(写真/台中市政府)

台中メトロのブルーラインの総費用は約1,615億台湾ドルで、2034年の完成を予定している。市政府は本日(26日)、この大規模な交通建設の全体工事の開始を宣言する式典を開催し、台中史上最大規模の交通プロジェクトが正式に始動した。盧秀燕市長は、これまでの起工式とは異なり、35秒足らずでスピーチを終え、市民が20年待ち続けてきたことから、無駄な遅延を避け即刻工事を開始することを強調し、市民に対する公約の実現を宣言した。

盧秀燕市長によれば、ブルーラインのメトロは台中を山間部と海岸線で結ぶ重要な公共交通システムで、台中メトロ路線網の中でも最も重要な路線である。台湾大道に沿って東区から台中港までを貫通し、グリーンラインの「市政府駅」と交差することで、「黄金の交差点」を形成するメトロネットワークを構築すると強調した。市長は「言ったことは必ず実行する。完成できなかったものを完成させ、開始できなかったものを開始する。我々はすでに工事を開始した」と付け加えた。このプロジェクトは、台中のみならず中部地域全体にとり、今後10年間にわたる重要な建設となる。

盧秀燕市長は、さらに中部地域のメトロ開発にはまだ大きな可能性があると述べた。従来のように計画路線を一本一本開発していくスピードでは遅すぎるため、今後市政府はメトロ「7路線同時発進」を積極的に推進すると述べた。市府捷工局と交通局は既に作業プロセスを開始しており、中央政府に各路線の早急な認可を求め、立法院や中央政府部局の持続的な支援を要請し、台中のメトロ計画を早期に完成させることを願った。

捷運工程局長の蘇瑞文氏は、ブルーラインは全長24.78キロメートルで、西は台中港に始まり、東は東区の新建国市場に至ると説明した。全区間で8つの行政区、53の里にまたがり、20の駅が設けられる。工事区間には高架と地下の両部分を含め、多数の革新設計と高規格工法が採用されている。沿岸部の高架駅は風や塩害に耐える設計が施され、スチール構造体には熱浸亜鉛メッキによる防錆処理が施され、厚い保護層で構造体の耐久性と安全性が確保されている。地下区間ではB09駅からシールドマシンによる土圧平衡工法を採用し、工事が地上の交通や生活環境に与える影響を軽減している。

さらに、ブルーラインはメトロの乗り換えシステムの統合と乗客の動線の最適化にも重点を置いている。例として、B14駅とグリーンラインの市政府駅では「駅内乗り換え」方式を採用し、乗客は支払済区域内でシームレスに乗り換えられる。また、B19駅は台鉄台中駅と大台中転運センターと共構され、メトロ出口は各主要交通施設と接続され、乗り換えの利便性と全体的な輸送効率を向上させている。

今回のブルーライン開工式には約千人が参加し、台湾青年管楽団、十鼓打楽団、中信パッションシスターズのパフォーマンスが行われ、祭祀の祈祷と開始儀式も行われた。市政府はビデオを通じて市民にブルーラインの設計内容を説明し、「台中メトロ ブルーグリーンダブルライン交会 未来幸福倍増」というイメージビデオの初公開も行い、ブルーラインの魅力をアピールした。

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