トランプ氏「米・イラン会談」予告 和平交渉は前進か、イスラエルは警戒感強める

2025-06-27 12:52
アメリカのトランプ大統領が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で記者に対し、イランとの交渉再開に興味があるかと聞かれ限定的であることを示した。(AP通信)
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イスラエルとイランの停戦合意は6月25日で2日目を迎え、双方は引き続き停戦の取り決めを順守している。こうした中、アメリカのトランプ大統領は、来週に米・イラン当局者による会談を予定していることを発表し、長期的な平和に向けて慎重ながらも楽観的な見通しを示した。

12日間にわたって続いた軍事衝突は24日に停戦が発表され、その調整においてトランプ氏は重要な役割を果たした。トランプ氏はNATO首脳会議の場で記者団に対し、イランとの交渉再開には限定的な関心しかないと述べ、アメリカの軍事行動によってイランの核計画は壊滅的な打撃を受けたと強調した。

一方、イラン当局者は、週末にアメリカが攻撃を仕掛けたことを受け、引き続きアメリカを信頼できるのか疑問を呈している。

イラン、核計画を放棄せず

トランプ氏は記者会見で「我々は合意に至るかもしれない。正直なところ、分からない。私の見方では、彼らはもう戦ったし、その戦争は終わった」と述べた。

アメリカの中東特使スティーブ・ウィトコフ氏は、両国の間では直接または間接的な意思疎通が継続していると説明しているが、イラン側は来週の会談予定について現時点で何ら確認していない。今月初め、アメリカとイランはオマーンで第6回協議を開催する予定だったが、イスラエルによるイラン攻撃の影響で中止を余儀なくされた。

トランプ氏はこの停戦状況について「非常に良好だ」との認識を示し、あわせてイランは「核兵器を持つことはなく、ウランの濃縮も行わない」と強調した。

しかし、イランは自国の核計画を放棄しない姿勢を貫いている。今後の交渉が困難を極めることを示すように、イラン国会は国際原子力機関(IAEA)との協力を事実上停止する提案の審議を加速することを可決した。IAEAは国連の監視機関として、長年にわたりイランの核開発を監督してきた。

採決に先立ち、イラン国会議長モハンマド・バーゲル・カリバーグ氏は、IAEAが「アメリカによる日曜日のイラン核施設への攻撃を非難するふりすらしなかった」として強く批判した。カリバーグ氏は国会議員に対し、「そのため、イラン原子力機関はIAEAとの協力を一時停止し、核施設の安全が確保されるまで再開しない。平和的な核計画は、これまで以上の速度で進められることになる」と述べた。

マクロン大統領は、イランが交渉の場に復帰することを望む

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は、イランに書簡を送り、核施設の査察再開について協議を求めたことを明らかにした。イランはアメリカの空爆前に高濃縮ウランを移送済みだと主張しているが、グロッシ氏は査察官による核物質の再評価が不可欠だと述べ、「我々は現地に戻る必要がある。対話を開始しなければならない」と強調した。 (関連記事: 米国に激震!イラン最高指導者「核施設無傷」と反論、FBIが情報漏洩の出所調査 関連記事をもっと読む

フランスのマクロン大統領も、イランが交渉の場に戻ることを望むと述べた。フランスは2015年のイラン核合意の署名国の一つであり、この合意はイランの核開発を制限するものであったが、トランプ政権による一方的な離脱を受けて崩壊の道をたどった。マクロン氏は戦闘期間中、イランのペゼシュキアン大統領と度々電話会談を行っている。

グロッシ氏は25日、イランが国際的な査察活動への協力を速やかに再開すべきだとの見解を示した。フランス公共放送「France 2」に対し、敵対行為の開始以降、IAEAは機微な核物質の状況を把握できていないと語ったうえで、「核不拡散条約に基づき、イランにはIAEAと協力する法的義務がある。戦時中は査察が不可能だったが、いまや敵対行為は終結した。これらの物質の機微性を踏まえれば、できるだけ早く査察を再開することがすべての関係者の利益になる」と述べた。