「今こそ台湾文化の出番!」日台文化交流に追い風、映画・音楽・舞台が続々日本へ

2025-06-25 13:10
横浜市芸術文化振興財団の小野晋司氏(左)、文化部長の李遠氏、東京国際映画祭の石坂健治氏、文化部文化交流司長の紀東陽氏が、「台湾文化 in 大阪・関西万博」のマスコット「a-We」のパンフレットを手に、8月に大阪で再会することを約束した。
横浜市芸術文化振興財団の小野晋司氏(左)、文化部長の李遠氏、東京国際映画祭の石坂健治氏、文化部文化交流司長の紀東陽氏が、「台湾文化 in 大阪・関西万博」のマスコット「a-We」のパンフレットを手に、8月に大阪で再会することを約束した。

台湾・文化部長の李遠氏は昨年9月に就任して以来、初めての日本訪問を果たし、台湾文化を海外に紹介する文化外交の第一歩を踏み出した。その取り組みが今、具体的な成果として結実している。6月23日には、東京国際映画祭のキュレーターを長年務める石坂健治氏と、横浜市芸術文化振興財団の小野晋司理事が台湾を訪れた。今回の訪問を通じ、台湾のジャズバンドが初めて「横浜ジャズフェスティバル」に参加し、雲門舞集が16年ぶりに日本での公演を予定するなど、文化交流の新たな展開が広がっている。日本側の関係者は「今こそ台湾文化を世界に発信する絶好の機会」と高く評価した。李氏も「台湾と日本の文化協力はこれからも続いていく」と強調した。

映画は今回の文化交流を結びつけた重要な要素だ。李氏と石坂氏は、李氏がまだ体制外で映像教育に取り組んでいた時期から親交を深めてきた。李氏が「台湾映画を東京国際映画祭のメインコンペティションに復帰させたい」と願っていた目標は、『女兒的女兒』の選出により早くも実現することとなった。

東京影展資深策展人石坂健治(左2)及横浜市芸術文化振興財団業務執行理事小野晋司(左1)在駐日臺灣文化中心邀請下訪臺,并與文化部長李遠(右1)会面,期盼臺日展開更多文化交流。
東京国際映画祭のシニアプログラマー・石坂健治氏(左から2人目)と、横浜市芸術文化振興財団業務執行理事・小野晋司氏(左端)が、駐日台湾文化センターの招きで台湾を訪問。文化部長・李遠氏(右から2人目)らと会談し、今後の日台間でさらなる文化交流の展開に期待を寄せた。

石坂氏は「日本には昔から台湾を愛する熱心なファンがいる」と語り、『紅柿子』などの台湾映画が特集上映され、『殺夫』が大学の教材として使われていることを紹介した。今回の訪台中、彼は連日映画館を訪ね、「日本でまだ知られていない台湾映画を発掘したい」と意欲を見せた。また、来年には楊德昌監督の『恐怖分子』修復版の40周年上映も検討されていることが明らかになった。

演劇と音楽の分野でも、台湾と日本の協力が新たな段階に進んでいる。昨年、東京「BLUE NOTE TOKYO」で「雙小野宣言」が発表されて以来、小野氏は「臺味爵醒」と「許郁瑛帶電五重奏」の2組が今年初めて「横浜ジャズフェスティバル」に出演することを公表した。また、国際的に著名な「雲門舞集」の日本公演も、16年ぶりに実現する見通しとなった。

小野氏は「台湾の文化政策は非常に透明で、文化部は創作活動に対して寛容で豊かな支援環境を提供している」と語り、台湾文化の創造力は国際社会でも注目されていると評価した。「今こそ台湾文化を世界に届けるチャンスだ」との声も上がっている。

今回の交流では、大阪・関西万博での公開が予定されている台湾文化のマスコット「a-We」にも注目が集まった。小野氏は、このキャラクターが台湾の鮮やかな文化イメージを体現しており、「世界に台湾を印象づける成功例」だと語った。台湾と日本が共有する「多様性、包容力、柔軟性」といった価値観を象徴する存在として、a-Weは両国の新たな「お土産」になるとし、8月には大阪での再会が予定されている。

​編集:田中佳奈

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