中東「12日戦争」に終止符 イスラエルとイランが全面停戦 トランプ氏が電撃発表

2025-06-24 11:47
2025年6月22日、イスラエル・ラマトガンの電子広告板にトランプの写真と「ありがとう、大統領」の文字が表示されている。(AP通信)
目次

米国の強力な介入とカタールの仲介努力により、約2週間にわたって世界を震撼させた中東の衝突が終結した。米国東部時間23日夜、トランプ大統領がSNS上で突如、「イスラエルとイランが全面的な停戦に合意した」と発表した。トランプ氏は今回の軍事衝突を「12日戦争(THE 12 DAY WAR)」と称し、その破壊的な対立の終結を明らかにした。

核戦争寸前にまで緊張が高まった今回の衝突は、本日、劇的な転機を迎えた。トランプ米大統領はSNS上の投稿で「イスラエルとイランの両国は、この戦争を終わらせるために必要な忍耐、勇気、そして知恵を示した。両国に祝意を表する」と述べた。イスラエル側は直ちに公式な反応を示していないが、ホワイトハウスはネタニヤフ首相の同意をすでに得ていると明らかにしている。

また、ロイター通信が交渉内容を聞いた関係者の話として伝えたところによれば、中東のカタールが今回の停戦において重要な仲介役を果たした。カタールのモハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール=サーニ首相が直接イラン政府高官と連絡を取り、最終的にテヘラン側の同意を取り付けたという。

ただし、トランプ氏は「イスラエルとイランは全面的かつ完全な停戦に合意した」とする一方で、両国政府はいまだ公式にこれを認めていない。トランプ氏自身も、停戦は現在も継続中の軍事行動が「段階的に終了」することで初めて発効するとしている。ネタニヤフ首相は22日、「イスラエルはイランに対する戦争の目的に『非常に、非常に近づいている』」と発言したが、戦闘の終了時期については明言を避けた。

「ライオンズ・アサント」と「ミッドナイト・ハンマー」

今回の衝突は約2週間前、イスラエルが「イランの核開発計画が危険な臨界点に達した」として、「ライオンの目覚め作戦」を発動したことに端を発する。イスラエルは複数の高官や核科学者を標的とした「斬首作戦」を実施したほか、イランの核関連施設に対して前例のない激しい空爆を行った。

戦闘の激化を受け、米国も先週末に正式に軍事介入を開始。B-2戦略爆撃機を投入し、「バンカーバスター」として知られる大型貫通爆弾GBU-57を投下。イランの地下深くに位置するフォルドゥやナタンズの核施設を破壊した。

連日の空爆により、イランの首都テヘランは深刻な混乱に陥り、数百万人規模の住民が家を離れたと推定されている。第二次世界大戦以来最大規模とも言われる都市脱出が発生し、中東情勢がさらに大規模な破壊的戦争へと発展するのではないかと、国際社会は強い懸念を抱いた。23日に停戦の報が伝えられたものの、最前線ではなお砲火が完全には収まっていない。合意発表の前後には、イスラエル軍がテヘランの一部地域住民に対して二度にわたり緊急避難を呼びかける事態も発生。イスラエル軍のラジオ放送は、ゴラン高原南部で一時防空警報が鳴り響いたと伝えており、停戦発効前の両国が依然として極度の警戒状態にあることを示している。