東京・豊洲の没入型アートミュージアム「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」は、2025年1月22日、約1.5倍の面積拡張を経て新たな空間を一般公開した。今回の拡張では、教育的なテーマに基づいたプロジェクト「つかまえて集める森」「運動の森」「学ぶ！未来の遊園地」を中心に、合計20点以上の新作が登場。来場者が自らの身体を使って探索し、創造し、体験を通して学ぶインタラクティブな世界が広がっている。
「運動の森」、「つかまえて集める森」など20以上の新作公開
「つかまえて集める森」では、絶滅動物を追いかけて観察し、スマートフォンアプリで図鑑にコレクションしていく仕組みを採用。現実空間とデジタルが融合する本作では、「観察の矢」や「あみ」を用いて動物を捕まえるアクションも求められ、観察力と戦略性が試される。捕まえた動物は図鑑に登録され、何度も捕獲することで情報が詳細に更新されていく。
「運動の森」では、身体全体を使って立体的な空間を移動する作品が多数展開されている。たとえば、《マルチジャンピング宇宙》では、床が伸縮する空間でジャンプを繰り返すことで星の生成と寿命を体験でき、《バランス飛石》では微小生物の世界を模した飛び石の上を渡ることで感覚的なバランス力が鍛えられる。他にも、《坂の上のつぶつぶの滝》《イロトリドリのエアリアルクライミング》など、動きとアートが一体となった体験が用意されている。
「学ぶ！未来の遊園地」は、子どもたちの創造性と共創性を刺激するプロジェクトで、《スケッチ環世界》《グラフィティネイチャー》《こびとが住まうテーブル》《奏でる壁》などが展示されている。来場者が描いた生き物や図形が作品世界の中で実際に動き、他の生き物と相互作用しながら生態系を構築していく体験は、単なるアート鑑賞を超えた学びを提供する。
さらに、屋外空間も大幅にリニューアル。蘭の花を再育成する「Orchid Glass House」では、花と共鳴する照明《共鳴するナーサリーランプ》と、茶や酒と共鳴する《共鳴する茶と酒》を通じて、自然と人間の調和を表現している。ここで提供される「Twilight Bloom」などのドリンクや日本酒は、飲み物そのものが作品となり、飲み干すことで作品が終わるという哲学的な演出が施されている。
食体験としては、人気ヴィーガンラーメン店「Vegan Ramen UZU Tokyo」が引き続き展開されており、拡張された作品《虚空反転無分別》空間内にて、「味噌ラーメン Vegan UZU style」などを提供。ラーメンは昆布と椎茸の出汁にオーツミルクを合わせたスープに、白胡麻ペーストと味噌を融合したタレを加え、トマトや舞茸をトッピングに用いた。視覚と味覚、そして空間そのものが融合する体験型の食文化を打ち出している。
物販スペース「Living Art Store」では、再育成された蘭やその関連グッズを販売。蘭を使ったガラスアートやバッグ、「One of the Floating Flower Garden」シリーズなど、作品の一部を持ち帰ることができるよう設計されている。 （関連記事： チームラボ、身体ごと没入するアート体験を追求 新たなミュージアムも開業 ｜ 関連記事をもっと読む ）
体験を補完するためのアプリも充実。《つかまえて集める絶滅の森》や《スケッチ環世界》専用のアプリでは、自身が描いた生き物を操縦したり、捕まえた動物をコレクションしたりでき、知識と遊びが融合したデジタル体験を楽しめる。
