イギリスの高等教育評価機関「QS(クアクアレリ・シモンズ)」が、2026年版の世界大学ランキングを発表した。今回のランキングでは、台湾の大学3校が世界トップ200にランクインし、昨年よりも良好な結果を残した。
QS世界大学ランキング2026発表 台湾から3校がトップ200入り
台湾大学は、昨年の第68位から順位を上げ、香港城市大学と並んで第63位となった。これは、台湾の大学として過去最高の順位である。
また、清華大学(第176位)と陽明交通大学(第199位)も新たにトップ200に名を連ねた。清華大学は2023年以来の復帰であり、陽明交通大学は今回が初のトップ200入りとなった。陽明交通大学は、英・クイーンズ大学ベルファストと同順位で並んだ。
QSによれば、台湾の大学でトップ10に入ったのは、台湾大学、清華大学、陽明交通大学に続き、成功大学(第203位)、台湾科技大学(第345位)、台北科技大学(第420位)、台湾師範大学(第435位)、中山大学(第439位)、中央大学(第587位)、台北医科大学(第597位)であった。これら10校はすべて前回のランキングより順位を上げた。
今回のQSランキングは、5つの主要指標、研究と発見(Research and Discovery)、卒業生の就業能力と成果(Employability and Outcomes)、グローバル交流(Global Engagement)、学習経験(Learning Experience)、そして持続可能性(Sustainability)に基づいて評価された。
その中でも「研究と発見」が全体の50%を占め、さらに「学術的評価」と「教職員あたりの論文引用数」に細分化されている。
また、台北医科大学は「教員対学生比」で第83位、政治大学は「就業成果」で第84位となり、それぞれ分野別で世界トップ100に入った。
QSは、今回の順位上昇の大きな要因として「教職員あたりの論文引用数」の向上を挙げている。多くの台湾の大学がこの指標でスコアを伸ばし、順位を押し上げた。
一方で「グローバル交流」分野においては、台湾の大学はいずれも世界トップ250に入らず、国際的な人材獲得や海外大学との連携といった課題が浮き彫りとなった。
さらに、「雇用主の評価」と「就業成果」といった就職関連の指標では、台湾の大学の93%、67%がそれぞれ順位を下げたとされ、改善の余地がある。
QSのシニア・バイスプレジデントであるベン・ソーター氏は、台湾の大学にとって「国際協力の拡大」と「国際学生の誘致」が重要であると述べた。AI分野での政府と大学の連携など、先進的な取り組みが台湾の高等教育の国際競争力を強化すると期待されている。
今回のQSランキングでは、106の国と地域から1500校以上の大学が対象となった。世界トップ10には、マサチューセッツ工科大学(MIT)、インペリアル・カレッジ・ロンドン、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ハーバード大学などが名を連ねた。
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