中国の空母2隻が第二列島線に進出 硫黄島周辺で初の大規模演習、日本も警戒強化

2025-06-18 11:53
中国の空母『山東』が艦載戦闘機を発艦。(人民海軍のWeibo公式アカウントから)
中国の空母『山東』が艦載戦闘機を発艦。(人民海軍のWeibo公式アカウントから)
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近年、台湾海峡情勢が緊迫の度を増す中、中国の空母「遼寧」と「山東」が先日、日本の硫黄島や南鳥島周辺で軍事演習を行い、初めて第一列島線を越えて第二列島線に進出した。これにより、日本側は強い警戒感を示している。

これについて、元立法委員の郭正亮氏はYoutube番組亮子力学の中で、「米軍は間違いなく座視できない状況にある」と述べた。中国の3隻目の空母「福建」はすでに8回の試験航行を終え、まもなく正式に就役する見通しであり、今後は「福建」をモデルとした第4、第5の空母艦隊も建造される見込みだという。郭氏はさらに、中国の軍事力が第二列島線に進出し、二隻体制の空母による戦術が確立されれば、米国は第一列島線内への進出が困難になる可能性があると指摘し、「これにより、米国が将来的に台湾海峡での戦争を想定した戦略や戦術を根本的に見直すことになる」との見解を示した。

軍事専門のFacebookページ「世界特殊部隊與軍武資料庫」は、中国が台湾攻撃を想定した「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略の動きを模擬する中で、「遼寧」を中心とする空母艦隊が多数の護衛艦や補給艦を伴い、2個空母打撃群として初めて大規模に集結したと指摘している。数十隻規模の軍艦が同時に行動を開始するのは前例のないことであり、中国人民解放軍は、地上発射の長距離ミサイルと空軍戦力を中核に据え、日本列島・琉球諸島・台湾・フィリピンを含む第一列島線全体を「接近阻止エリア」と見なしていると分析されている。従来、中国の空母による演習は第一列島線内にとどまっていたが、今回初めて2隻の空母が同時に第一列島線を突破し、第二列島線の海域に進出した。中国本土が第二列島線での「ダブル空母体制」による軍事演習を本格的に展開できるようになれば、米国が第一列島線に前方展開する能力そのものに疑問符がつくことになりかねない。 (関連記事: 中国空母が硫黄島・沖ノ鳥島周辺で大規模演習 艦載機の発着回数500回超 自衛隊が警戒強化 関連記事をもっと読む

郭正亮氏は番組の中で、中国が今回、第一列島線を完全に突破したことを明確に示し、第二列島線周辺での空母2隻による軍事演習が今後は常態化するとの見方を示した。また、中国は第一列島線、第二列島線にとどまらず、ハワイからニュージーランド、オーストラリアにかけての「第三列島線」にも関与し始めていると指摘。最近では、中国の055型駆逐艦3隻がオーストラリア周辺で実弾演習を実施し、オーストラリアに強い警戒感を引き起こしている。この動きについて、外部では、「オーストラリアに対する意図的な牽制であり、第一列島線で米軍と連携した軍事演習を行わないよう警告している」との見方も出ている。実際、中国の055型駆逐艦はオーストラリア周辺をほぼ一周するように航行しており、これによりオーストラリア側は強い不快感を示しているという。さらに中国は、第二回目となるオーストラリア周辺での軍事演習も予定しており、こうした演習を常態化させることで、オーストラリアに第一列島線での軍演を行わないよう警告する意図があるとみられる。

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