台湾・総統府、18日に野党党首と機密会議 頼清徳総統が主導し「国家安全情勢」説明へ

総統頼清徳が18日に野党指導者を総統府で迎える。(資料写真、顏麟宇撮影)
総統頼清徳が18日に野党指導者を総統府で迎える。(資料写真、顏麟宇撮影)

台湾・総統府は15日、頼清徳総統が6月18日(水)午前9時より、総統府大ホールにて「国家安全に関する特別説明会議(國家安全情勢專案簡報會議)」を主催することを正式に発表した。総統自ら三軍統帥として、防衛、外交、対中政策、安全保障部門の首脳らを招集し、主要野党党首に対して機密性の高い国家安全情勢の説明を行う。これは朝野の協力体制を築き、国家防衛に関する共通認識を深めることを目的としている。

この会議は野党側から「鴻門の会」とも揶揄されており、民衆党の黄国昌主席は16日午前、「日程を新聞報道で初めて知った」と総統府の対応を批判している。

郭雅慧氏によれば、この会議は我国初の総統が自発的に招集し主催する非公開の国安情勢報告であり、その目的は最新の国安情勢を通じて野党指導者に国家が直面する重大な脅威と政策の方向性を即時に把握してもらうことで、与野党の団結を確保し、国外対策の一致した共識を築くことにある。報告内容は「中国の軍事拡張と国軍の対応」、「全球局勢の挑戦と我国の外交戦略」、「現在の中国情勢と両岸関係への挑戦」、および「中国のハイブリッド戦脅威と国際的な対応」の4つのテーマにわたっており、国防部、外交部、陸委会及び国家安全局がそれぞれ報告を行う。

総統府の郭雅慧報道官によると、総統が主導し、野党を対象とする国家安全に関する説明会が行われるのは今回が初めて。会議では最新の国際・国内の安全保障情勢に基づき、台湾が直面する主要な脅威や政策方針についての理解を野党側と共有し、対外政策における一致団結を図るという。

説明内容は以下の4つのテーマで構成されている:

●中国の軍事的拡張と台湾軍の対応

●国際情勢の変化と台湾の外交戦略

●現下の中国情勢と両岸関係の課題

●中国の「ハイブリッド戦争」戦術と国際社会の対応

各テーマについては、国防部、外交部、大陸委員会(陸委会)、国家安全局がそれぞれ報告を行う。

会議は完全非公開で実施される。野党党首らは当日午前8時50分に入場し、儀典担当者による説明を受けた後、冒頭の短い挨拶を経て説明に移行。午前10時48分からは総合討論が行われる予定で、頼総統も終始参加し、最後には総括の挨拶を行う予定だ。

郭報道官は「国家の安全保障はすべての国民が共有すべき共通の価値であり、政党間の競争があっても台湾の安全を守るという立場に分裂があってはならない」として、今回の会議が総統府からの「礼を尽くした」誠意の表れであると強調。事実に基づいた政党間の理解と協力を通じて、民主主義を守る共同の意志を強化したいと訴えた。

会議は午前9時から正午までの予定で、終了後には記念品贈呈と記念撮影が行われる。総統府はまた、各政党に対して建設的な参加を呼びかけ、台湾が外的脅威に直面するなかで、より強固な民主同盟と政治的レジリエンスを築いていく必要があると訴えている。 (関連記事: 台湾民意基金会世論調査》国民党議員リコール、反対が急増 最新世論調査で70万人が反対に転向 関連記事をもっと読む

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編集:梅木奈実

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