アメリカの最新のインフレ指標が発表され、予想以上にインフレの鈍化が見られたことで、市場は連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げに期待を寄せた。これによりドルは急落し、アジア通貨が反発して急騰した。
本日(12日)、新台湾ドルは29.66元で取引を終え、前日比0.26元の大幅上昇となり、2022年6月初旬以来の高値を記録。輸出業者の警戒感が再び強まっている。
為替市場は米国のインフレデータと市場心理に大きく影響されている。米国の5月の消費者物価指数(CPI)は前月の2.3%からわずかに2.4%へと上昇したものの、市場予想を大きく下回った。データ公表後、先物市場ではFRBの利下げ確率が大幅に高まり、今年中に最大で0.5ポイントの利下げが見込まれている。
これを受けて、米ドル指数は急落し、アジア通貨は軒並み上昇した。新台湾ドルは先日の急激な上昇の影響もあり、特に注目を集め、最終的に0.26元(約0.87%)の値上がりとなった。その他のアジア通貨も全面高となり、韓国ウォンは約0.8%、日本円は0.5%超、タイバーツは約0.3%、人民元とシンガポールドルは0.1%超の上昇を記録した。
なお、台湾中央銀行は19日に第2四半期の理事会を開催する予定で、市場では政策金利は据え置かれる見込みだ。ただし、今回の会合では新台湾ドルの為替相場や投機的な資金流入問題に対する対応が重要な議題となる見通しである。 (関連記事: 日本など9カ国・地域が米の為替監視リストに 通貨政策と経常黒字を注視 | 関連記事をもっと読む )
編集:柄澤南
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