新台湾ドルの対米ドル為替レートが上昇の勢いを止めず、先週金曜日(2日)の3.07%急騰に続き、週明けも取引開始直後から複数の節目を突破し「29元台」に突入した。報道時点で上昇率は4.7%を超え、当初は高く始まった台湾株式市場も一転して下落し、400ポイント超の急落となった。株価と為替の逆行現象が発生している。
中央銀行は先週金曜夕方、異例の声明を発表。声明によれば、投資家の期待心理に加え、同日の台湾株の急騰で海外資金が大量に流入し、国内為替市場におけるドル供給が大幅に増加したことが背景にあり、新台湾ドル高が進行したという。中央銀行は責務に基づき適時市場介入を行ったと説明している。
新台湾ドルは、今朝30.91元で取引を開始後、急速に上昇。心理的要因がさらに拡大し、輸出企業によるパニック的なドル売りが重なり、まず30元の大台を突破、その後も勢いは止まらず、現在は29.6元台まで上昇し、値上がり幅は1.4元を超えた。
市場では、流入するホットマネーによって台湾株の上昇が期待されていたが、取引開始後、新台湾ドルの為替レートが急速に暴騰し続けたことで、投資家は企業の為替ヘッジが間に合わず台湾経済の基盤に打撃を与えるのではとの懸念を抱き、相場は急反転。加権指数は一時400ポイント超、1.8%の下落となった。
特に輸出企業が直接の打撃を受けたほか、金融株も大幅安に見舞われた。生命保険系の金融持株会社が軒並み急落し、国泰金控は8%以上の下落、富邦金控は6%超の下落、新光金控や凱基金控は約半値まで売られ、値幅制限に迫る場面もあった。

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編集:梅木奈実
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