台米貿易黒字が急増、アメリカ自身が招いた結果だ!頼政権「ゼロ関税」対応に、尹啓銘は「4文字評価」

経済部前部長の尹啓銘氏は29日午後、「平和の旅20周年の回顧と展望」記念座談会に出席。民進党政府がトランプ対等関税政策に対して「ゼロ関税」から始める対応策は「完全に間違っている」と述べた。(張鈞凱撮影)

トランプの対等関税政策が始動を待ち構えており、台湾経済に甚大な影響を与えると一般的に予測されている。経済部の前部長である尹啟銘氏は4月29日午後、「平和の旅20周年の回顧と展望」記念座談会に出席し、民進党政府が「ゼロ関税」から始める対応策は「完全に間違っている」と直言した。台湾は新たな主力産業が不足しており、経済は深刻な困難に直面するだろうと述べた。また、政府が中国大陸ブランドの大疆(DJI)ドローンが世界市場の7割を占める市場に取って代わると宣言したことについて、尹啟銘氏は「笑止千万だ」と皮肉った。

台米貿易黒字拡大は「アメリカが招いた結果」

最近話題になっている対等関税問題について、尹啟銘氏は詳細に説明した。台湾企業の中国大陸への投資を振り返ると、大陸への輸出を促進し、対米輸出を分散させ、台湾の投資と経済成長を促進した。尹啟銘氏の分析によると、台湾企業が大陸に投資したことで、台湾の土地・水・電力・労働力などのリソースがIT産業に提供できるようになり、台湾産業の血液の新陳代謝効果をもたらし、産業アップグレードと台湾の次の投資波をもたらした。

尹啟銘氏は、蔡英文政権時代に政府が台湾企業に帰国投資を呼びかけたことを強調した。「問題はここから始まった。台湾企業が台湾に戻って投資し、生産能力をすべて台湾に移転した結果、元々大陸からアメリカに直接輸出していたものが、台湾からアメリカへの輸出に変わり、対米貿易黒字が大幅に増加した」。尹啟銘氏の計算によると、2017年から2018年の対米貿易数字で見ると、台湾の対等関税はわずか16%から17%だったが、当時のトランプが中国大陸と貿易戦争を行い、台湾企業が大陸から台湾に戻ったため、対米輸出の黒字が増加し、トランプの計算式で32%という高い数字になった。

「もし私が賴(清德)氏なら、交渉の際に必ずアメリカ政府に言うだろう。増加した差額は台湾のせいではない。これはアメリカが招いた結果だ。台湾企業を台湾に戻らせ、アメリカに輸出させたから、対等関税が17%から32%に増加したのだと」

さらに台湾の輸出シェアを見ると、中国大陸と香港のシェアは2020年の43.9%から2025年1-3月の28.4%に減少し、アメリカは2018年の11.8%から2025年1-3月の25.5%に上昇している。「これが我々の対等関税危機の所在だ」。貿易黒字で見ると、2009年から2024年までの台湾の対中国黒字は総黒字の1.66倍で、両岸の経済貿易は台湾の経済発展に有益だったが、現在は下降し続け、対米黒字は上昇し続けている。「正直に言って、対等関税が台湾に与える影響には本当に出口がない」 (関連記事: トランプ『米国製造業復活』構想、関税政策だけで十分? 『エコノミスト』分析の三つの壁:労働力確保・工場建設・老朽化したインフラ 関連記事をもっと読む

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トランプ2.0時代の到来に対応するため、中華民国三三企業交流会の理事長である林伯豐氏は、政府が半導体サプライチェーンの競争優位性を確保し続けるよう支援すべきだと考えている。(張鈞凱撮影)

対等関税への対応、賴政府は「主を売って栄を求める」

台湾の輸出構造の変化を見ると、尹啟銘氏は、IC産業が2018年の28.7%から2024年の34.7%に増加していると指摘する。「TSMCは非常に重要だ。どうしてすぐに手放せるだろうか?」さらにIT産業は2018年の1.7%から2024年の17.8%へと急増している。もともと海外に移転していた台湾企業が台湾に戻り、主にコンピューター、クラウド、サーバーなどを生産している。