トランプ氏ホワイトハウス復帰から100日、《日経》アジアへの「挑戦」分析:貿易戦争×外交混乱×移民制限×ハイテク規制

2025年4月29日、米国大統領トランプ氏がミシガン州ウォーレンで就任100日演説を行った。(AP通信)

トランプ米大統領が再び就任して100日が過ぎたが、彼は貿易・移民・インド太平洋戦略・テクノロジー分野で急進的な政策を展開し、米国の長年の政策伝統を覆した。これらの激変は単なる「暴走」なのか、それともトランプ大統領が意図的に打った「大きな一手」なのか?『日経アジア』はこの期間の政策動向を詳細に分析し、アジアと米国のアジア系コミュニティに対する4つの不安と課題を指摘している。

トランプ政権2.0の二つの主要な政策軸:まず、米国をウクライナと中東の戦争から切り離すこと、そして同盟国も敵国も米国市場へのアクセスルールが再定義されることだ。これはアジアと米国のアジア系コミュニティにとって何を意味するのか?以下が知っておくべき4つのポイントである。

一、トランプはどのような関税を実施したのか?

トランプの関税措置は大きく3つのカテゴリーに分けられる:

第一に「232条関税」である。これは「貿易拡大法」第232条に基づき、輸入品が国家安全保障に影響を与えるかどうか調査・認定し、安全保障上の脅威となる産業に25%の関税を課すものだ。例えば鉄鋼、アルミニウム、自動車などが対象で、将来的には半導体や医薬品にも拡大される可能性がある。この種の関税の目的は「製造業の米国回帰」にある。トランプ政権はこの関税について「交渉の余地はない」と繰り返し強調している。

第二に普遍的な「10%基本関税」がある。これはトランプが「解放の日」(今年4月2日)に「相互関税」を発表した際に、すべての国に一律で課した関税だ。この関税の目的は政府の収入を増やし、減税提案を支援することにある。しかし経済学者の間では、この種の関税負担は最終的に外国企業ではなく、米国の消費者に転嫁されるという見方が一般的だ。

2025年4月2日,美國總統川普在白宮玫瑰園宣佈新關稅。(美聯社)
2025年4月2日、ホワイトハウスのローズガーデンで新たな関税を発表するトランプ大統領(AP)

最後に「相互関税」。これは米国が最大の貿易赤字を抱える国々に対して「割引」を適用した後の税率で、最大で49%に達する。トランプは4月2日に相互関税を発表し、米国株式市場は連日暴落した。4月9日には相互関税の実施を90日間延期すると発表(中国を除き)。各国はこの期間を活用して米国との交渉を進め、この種の関税の永久撤廃を求めている。

アジア諸国は最近、積極的に交渉を行っている:日本は関税交渉の切り札として米国からのトウモロコシと大豆の輸入増加を検討中だ。韓国は米国の造船業へのさらなる投資を考慮している。東南アジア諸国も続々とトランプ政権に接触し、関税の引き下げや撤廃を試みている。 (関連記事: トランプ政権に米主要3局メディアの92%が「ネガティブ報道」 就任100日でバイデン時代と対照的な扱いに 関連記事をもっと読む

中国からの輸入品に関しては、90日の猶予期間が適用されないだけでなく、少なくとも145%(一部商品は245%)の超重関税が課される。トランプは後に「税率が高すぎるので引き下げを検討する」と発言したが、現時点で米政府はさらなる行動を起こしていない。トランプは中国との交渉中であること、さらには習近平と電話で話したとさえ主張し続けているが、中国側はどのような貿易交渉も行っていないと否定し、これらを「フェイクニュース」と呼んでいる。