陸文浩の視点:台湾周辺海域で中国軍艦の兵力が突如2倍に増加、その狙いは何か?

2025-04-29 19:09
写真は中国空母「山東号」。(資料写真、AP通信)
写真は中国空母「山東号」。(資料写真、AP通信)

台湾国防部は4月28日9時頃、中国軍が27日6時から28日6時までの間に、計29機の戦闘機(そのうち16機が海峡中間線を越えて北部、中部、南西部および東部空域に侵入)および艦船10隻、公務船4隻が台湾周辺海空域で活動していたと発表した。前回の23〜24日に比べて、中国軍の海上総兵力は7隻から倍増している。27日から中国軍はJ-16戦闘機、KJ-500早期警戒機などの主要・補助戦闘機や無人機(台湾と日本の情報分析によると、1機が台湾南西から台湾南部、蘭嶼東側を北上して花蓮南東で大きく旋回した後、さらに北上して台湾と日本の与那国島の空域、尖閣諸島西側の空域を通過し、中国浙江省と福建省の境界部へと向かったとされる。南から北へ台湾を一周した形)が計26回出動。そのうち14回は中間線とその延長線を越えて北部・中部・東部および南西部空域に侵入し、中国艦船と共同で「連合戦備警巡」を実施した。

また、メディアの28日報道によると、中国の向陽紅シリーズ海洋調査船、055型護衛艦(正確には055型は駆逐艦であり、054Aと056Aが護衛艦)、854天狼星(正確には天狼星号は北部戦区海軍所属で、艦番号は794)電子偵察艦が各1隻、27日に澎湖七美付近の海域に出現した。

先日、中国の「423」海軍記念日に、米国駆逐艦が北から南へ台湾海峡を通過したが、これは特に挑発的な意味合いが強かった。中国軍東部戦区の報道官が4月24日に厳しく非難しただけでなく、中国軍は天候が最も良かった27日早朝に台湾周辺の海空域で「連合戦備警巡」を実施した。

中国軍南部戦区海軍の「山東号」空母打撃群5隻が4月25日にフィリピン海からバブヤン海峡を経て南シナ海に入ったにもかかわらず、23〜24日の台湾周辺海域における中国艦船の総数は6隻を維持し、25日には空母打撃群が南シナ海に進入したにもかかわらず中国軍艦船数が2隻増加して計8隻になり、26日には中国艦船の総数が一気に14隻に達し、27日には東部戦区の「連合戦備警巡」も加わった。この中国艦船の急増の理由は何なのか?注目を集めている。

まず、4月22日夜、米海軍アーレイバーク級駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」(DDG-110)が台湾海峡中間線北部入口付近で船舶識別システムを作動させ、平均16ノットの経済速度で海峡中間線の東側を22〜23日に北から南へ航行し、澎湖七美の南西に到達した。米国のMQ-4C無人機が海空域周辺の情報を提供する中、米駆逐艦は南シナ海に進入した。

このような行動は、中国軍の海空兵力を台湾海峡での米艦監視に集中させ、バシー海峡周辺の海上戦略通路への兵力増強を避けさせる意図があったと考えられる。 (関連記事: 米軍のF/A-18戦闘機が海に墜落!「トルーマン」がフーシ武装勢力の攻撃を回避し事故に、幸いにも負傷者は軽傷 関連記事をもっと読む

米艦が早めに船舶識別システムを作動させ、16ノットという経済速度で航行したことから、中国軍はおそらく空中兵力の一部と海軍作戦艦1隻程度のみを派遣し、目視(望遠鏡含む)や平面捜索レーダーなどによる随伴監視を行ったと思われる。

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