アメリカのドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに復帰してから初のアジア歴訪は終盤に差し掛かった。29日午前、日本での訪問日程を終えたトランプ大統領は、韓国・慶州へ向かい、李在明大統領との会談に臨む。その後、翌日には中国の習近平国家主席との「トランプ・習会談」が予定されている。
その前日となる28日、トランプ大統領は東京で日本の高市早苗首相と会談を行い、両首脳は改めて「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認した。これを受け、台湾の外交部は29日午前、林佳龍外交部長(外相)が米日両政府の継続的な支持に対し「誠心からの感謝」を表明した。
日米首脳、台湾海峡の現状維持を強調 「力による現状変更に反対」
高市首相は28日午前、東京でトランプ大統領と約40分間にわたり会談。その後、午後には大統領専用ヘリコプター「マリーンワン(Marine One)」に共に搭乗し、神奈川県の米海軍横須賀基地へ移動。原子力空母「ジョージ・ワシントン(USS George Washington CVN-73)」を視察した。
高市首相は夕方、記者団に対して会談内容を説明。「中国に関するさまざまな課題について意見交換を行った」と述べ、詳細には触れなかったものの、「双方が台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認した」と明らかにした。
日本外務省が会談後に発表した報道資料によると、両首脳は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を再確認し、「武力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対する」との立場で一致。日米両国が今後も緊密に連携していく方針を共有したという。
これに対し、台湾外交部は同日午前、林佳龍外交部長のコメントとして「日米両国が台湾海峡の安全を支持し続けていることに心より感謝する」との声明を発表した。
高市首相、就任後1週間で3度の「台湾海峡」言及
台湾外交部は、今回の会談が高市早苗首相にとって就任後初めての日米首脳会談だったことを強調。会談では中国情勢に関する意見交換が行われ、両国が「武力や威圧による一方的な現状変更」に反対する立場を共有したと指摘した。
また、台湾外交部は、高市内閣が21日の発足からわずか1週間あまりで、すでに第28回「日本・ASEAN首脳会議」、第20回「東アジア首脳会議」、そして今回の日米首脳会談と、複数の国際舞台で台湾海峡の平和と安定の重要性を訴えてきた点を評価。「権威主義勢力の拡張を抑止し、台湾海峡の安定を守ることが国際社会の共通認識かつ共通利益であることを明確に示した」と述べた。
台湾外交部「平和の4本柱」行動を推進へ
台湾外交部はさらに、「台湾海峡の平和と安定を守ることは、世界の安全と繁栄に不可欠だ」と強調。その上で、台湾は「平和の4本柱行動計画」を積極的に実施し、自主防衛能力の向上に努めると説明した。
また、「総合外交」を通じて同志国との多分野での協力を深化させ、民主的価値を共に守り、台湾海峡および地域の平和と安定を促進するとともに、ルールに基づく国際秩序の維持に貢献していくと表明した。 (関連記事: 高市早苗氏、トランプ氏と初会談 「日米新黄金時代」の構築を宣言 防衛費2%達成前倒し・レアアース供給網で協力、ノーベル平和賞推薦も | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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