高市早苗氏、トランプ氏と初会談 「日米新黄金時代」の構築を宣言 防衛費2%達成前倒し・レアアース供給網で協力、ノーベル平和賞推薦も

2025-10-28 14:05
2025年10月28日、東京で会談する日本の高市早苗首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領。(AP通信)
2025年10月28日、東京で会談する日本の高市早苗首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領。(AP通信)
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10月28日、東京・元赤坂の迎賓館が世界の注目を集めた。日本初の女性首相となった高市早苗氏が、政権発足後最も重要な外交舞台に臨み、ホワイトハウスに復帰したアメリカのドナルド・トランプ大統領と日米首脳会談を行った。両者の会談は、「ポスト安倍時代」における日米同盟の方向性を定義づける歴史的な一幕となった。予定より早く達成された防衛費目標、中国をにらんだレアアース供給網の協力、さらに高市氏がトランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦するという意外な展開まで、戦略・交渉術・個人的な情感が交錯する内容で、「日米新黄金時代」の幕開けを象徴する場となった。

会談は午前9時半過ぎに始まる予定だったが、約20分遅れて開始された。高市氏は着席すると英語で笑顔を見せ、「開始が遅れて申し訳ありません。先ほどまでトランプ大統領の部屋でワールドシリーズを一緒に見ていました。ドジャースが今1対0でリードしています」と語り、緊張感に包まれた外交の場に一瞬の和やかさをもたらした。だが、MLBの話題はあくまで前置きにすぎなかった。2人を強く結びつけるのは、亡き安倍晋三元首相という共通の親友である。トランプ氏は感情を込めて語った。「安倍前首相は本当に偉大な友人だった。彼に起きたことは悲劇だ。彼からあなたの優秀さについてよく聞いていた。きっと、あなたが首相になったことを誇りに思っているはずだ。米国を代表して心から祝福したい。」

トランプ氏はさらに、「日本初の女性リーダーの誕生は素晴らしいことだ。あなたは素晴らしい首相になるだろう」と高市氏を称賛した。

2025年10月28日、美國總統川普與日本首相高市早苗會面。(美聯社)
2025年10月28日、アメリカのドナルド・トランプ大統領と日本の高市早苗首相が会談。(AP通信)

安倍氏の薫陶を受け、ようやく政権の頂点に立った高市氏にとって、これほど象徴的な場面はなかった。高市氏は感謝を述べた。「安倍前首相への長年の友情、そして昨年末に安倍昭恵夫人をもてなしてくださったことに心から感謝します。」続けて、「日本の国力――外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を強化できるリーダーになる決意です。日本とアメリカをより強く、より豊かにするために、トランプ大統領と共に『日米新黄金時代』を切り拓いていきたい」と語った。

これに対し、トランプ氏は「我々は最も高いレベルの同盟国だ。この関係はかつてないほど強固になる。日本のためにできることがあれば、我々はいつでも支援する」と応じた。

中国をにらむ防衛費2%達成とレアアース供給網

和やかな雰囲気の中、会談はすぐに安全保障の核心へと移った。トランプ氏がかねて批判してきた「同盟国のただ乗り」問題に対し、高市氏は誠意と決意を示した。日本政府は防衛公約を前倒しし、当初2027年度に達成予定だった「防衛費GDP比2%」の目標を2025年度中に実現する方針を伝えた。さらに「国家安全保障戦略」など3つの安保関連文書の改訂にも着手し、厳しさを増す地域情勢に対応すると説明した。 (関連記事: トランプ氏が来日、3日間の訪問を開始 「巨額投資」と「防衛費」の二大カード—高市早苗氏は最も手強い米大統領を手懐けられるか 関連記事をもっと読む

トランプ氏はこれを歓迎し、特に日本が米国製防衛装備を拡大調達している点を高く評価した。「高市首相は日本の防衛力を大幅に強化しようとしている。米国には多くの新しい装備の注文が入っている。我々の戦闘機やミサイルは世界最高だ」と語り、得意の“武器セールス”節を交えつつも、日本の防衛強化を明確に支持した。ただし『毎日新聞』は、ワシントン内部から日本に対してGDP比3.5%への防衛費増を求める声も上がっていると報じており、今後、在日米軍経費分担などを巡る圧力が続く可能性も指摘されている。

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