日産自動車は24日、通期業績予想を大幅に下方修正。再建を模索する同社は再び困難に直面している。2024年度の純損失は7000億円から7500億円に上る見通しで、同社史上最大の赤字幅となり、当初予想の800億円を大きく上回る。
《日経アジア》によると、この深刻な赤字は競争環境の変化と販売不振、特に中国と米国の主要市場での低迷が原因である。ブランド再生のため、日産は世界で9000人の人員削減と生産能力の20%縮小を決定。営業利益予想も1200億円から850億円に引き下げた。
会社再建については、北米・中南米・欧州・日本などにある5000億円以上の工場や土地の資産を全面的に見直し、売却を検討する。また、600億円超の再編費用を計上し、退職金や補償金に充てる。
新CEOのイワン・エスピノサ氏は声明で「通期予想を慎重に下方修正し、事業実績と生産資産の簿価を全面的に見直した。前途は多難だが、豊富な財務資源、強力な製品ラインナップ、そして日産再建への決意がある」と述べた。

米中での激しい競争、中国経済の先行き不安、テスラに追いつけない電気自動車事業など様々な要因により、日産の世界販売台数は大幅に減少。今年度の販売予想は335万台で、7年前のピークから約40%減少する見込みだ。
さらに、トランプ米大統領の強硬な関税政策も逆風となっている。メキシコに生産拠点を持つ日産は、北米自由貿易協定を活用して米国向けに輸出してきたが、対等関税の導入により大きな打撃を受ける可能性がある。

前CEOの内田誠氏時代に中止された本田との提携計画だが、新体制下では仏ルノーや三菱自動車との3社連合を強化。エスピノサ氏は「ソフトウェアや電動化技術の開発コストが高騰する中、アライアンスについてタブーはない」と述べ、台湾の鴻海グループとの連携拡大の可能性も示唆した。
日産は5月13日に2024年度の通期決算を発表する予定である。
編集:佐野華美 (関連記事: 高雄が台日産業協力と都市ガバナンス交流を深化 林欽榮副市長が率いる代表団が熊本県市を訪問 | 関連記事をもっと読む )
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