米中関税戦争の衝突で誰が優位に立つのか?明居正が1つのことを予言:中国はこの時期を待って交渉に臨む

台湾大学政治学部名誉教授の明居正が『下班瀚你聊』番組で米中貿易戦争の情勢を分析。(資料写真、柯承惠撮影)

先頃アメリカ合衆国は中国を除く諸国に対する関税の猶予政策を発表し、中国からの特定輸入品に対する関税を145%まで引き上げ、その後、中国の報復措置に対して更に100%の関税を追加した。これについて、台湾大学政治学系名誉教授の明居正氏は「風傳媒」の番組『下班瀚你聊』において、アメリカの追加した100%は全ての商品に適用されるものではなく、301条項による制裁として7.5%から100%まで、商品によって異なる税率が課されると述べた。

明居正氏は、アメリカの現在の計画は中国を打撃し、アメリカを強化することであり、関税戦のみでは目的を達成できないと指摘した。アメリカの国防長官がアジア諸国を訪問し、内部で覚書を発表、その中で米国防総省の戦略的優先順位を調整し、中国の台湾侵攻を防止することを優先事項とすることが述べられた。また、アメリカは最近、退役将軍を台湾に派遣して漢光演習の図上演習に参加させた。この人物は元在韓米軍司令官で、米韓連合軍を指揮して中共と対抗した経験を持つ。これらから、アメリカは中国の台湾に対する攻略意図と脅威が更に高まったと判断していることが観察できる。また、アメリカは3月13日に4隻の原子力潜水艦をオーストラリア西部の基地に輪番配備すると発表し、中国のアジア太平洋地域への脅威が高まったとの判断を示している。

明居正氏は、アメリカの全ての行動が明らかに中国を対象としていると述べた。前回の米中貿易戦争は2018年6月15日に正式に開始され、2019年12月に両国が協定を締結して貿易戦争は終結した。中国は当時の既存の基盤に加えて2000億ドルのアメリカ商品を購入し、累計5000億ドル以上となったが、トランプ大統領の第一期任期終了から現在まで、中国の購入額は3000億ドルに達していない。達成率はわずか58%である。そのため米中貿易戦争が開始され、外部からは中国が必ず抵抗を続け、たとえ協定を締結しても実行しないだろうと見られている。トランプ氏は貿易戦争に結果が出ていないと考え、さらにアメリカが貿易戦争に負けたとさえ考えている。トランプ氏の米中貿易戦争における下策は協定を締結し、貿易赤字を減少させ、中国を孤立させてアメリカの国力が増大するまで待つことであった。上策は習近平氏に圧力をかけ、内部から疑問を持たれ、指導力を失って最終的に失脚することであった。 (関連記事: 日米関税交渉:石破茂「譲歩しない」と強調も、コメが最初の譲歩項目になる可能性 関連記事をもっと読む

中国の報復的な米国債売却について 明居正:自身も大きな打撃を受けることに

明居正氏は、中国の報復措置には関税の同時引き上げ125%、世界貿易機関への提訴、レアアースの輸出制限、ボーイング737MAXの納入停止、そして外交的な戦備状態の採用、欧州、ASEAN、日韓などの国々との関係強化が含まれると指摘した。アメリカの現在の手法は同盟国を脅かす可能性があり、自らの成功の機会を弱めることになり、元の友好同盟国を敵に回す可能性がある。現在、世界各国はアメリカと中国の間での立場を検討している。彼は、アメリカが関税引き下げの条件として他国に中国への関税引き上げを要求するだろうと推測している。