インタビュー》関西万博のTECH WORLD館が六感没入体験を創造 黄志芳:百万人の観客に感動を与えたい

玉山デジタルテクノロジー会長の黄志芳が本日(22日)、開会式前に「風傳媒」のインタビューに応じた。(黄信維撮影)

玉山デジタルテクノロジー株式会社が企画し、2025年大阪・関西万博に参加する「TECH WORLD館」は、開館以来多くの来場者が体験を求めて列を作っている。玉山デジタルテクノロジーの黄志芳会長は本日(22日)開会式に先立ち、《風傳媒》の単独インタビューに応じ、本館は「人類の未来の豊かな生活を設計する」をテーマに、自然、生命、技術の三大シアターの展示を通じ、台湾の豊かな生物多様性と先端技術を融合し、前例のない「六感没入型体験」の創造に努め、6ヶ月の会期中に世界中から百万人の来場者の心を動かすことを期待していると述べた。

TECH WORLD館は三つのテーマシアターに分かれている。黄志芳によると、第一区「生命シアター」では、台湾が島嶼の地質進化の下で育んだ独特の生態系と生物種を強調し、ルカイ族の「大樹頂月」の神話を引用し、生命の共栄を象徴する大型インスタレーションを制作し、ハイテク音響・照明と没入型デザインで島の自然の魅力を再現している。会場では台湾固有の動植物、多様な生態系、そしてマルチメディア映像と環境音響を組み合わせ、来場者があたかも呼吸する島に入り込んだかのような体験ができる。

第二区「自然シアター」では、最新のポイントクラウド技術を用いて台湾の風景を光の点で再構成し、幻想的な雰囲気を醸成し、ヒノキの香りと霧の演出を組み合わせ、来場者に山林にいるかのような視覚、嗅覚、触覚体験を提供する。黄志芳は「我々は視覚、聴覚、嗅覚、触覚など『六感統合』を通じて、前例のない感覚的衝撃をもたらす」と強調した。

第三部では未来技術に焦点を当て、AI生成アート、Micro LED表示技術、ロボットアーム、そしてASUSが提供する560台のタブレット端末が展示され、展示演出で同期的な動きを見せ、技術と芸術の共演を象徴している。黄志芳は、これらの技術は単なる展示ツールではなく、来場者との対話の媒体でもあると述べた。

最も印象に残った展示区域について聞かれ、黄志芳は笑みを浮かべながら、初めてスマートバンドを装着して体験した際、自然シアターで心拍数が上昇し、内心の真の感動を示したと語った。またスマートバンドはQRコードとの連携による対話型機能を備え、来場者の感情反応に基づいて個別化された旅行提案を行い、台湾帰国後の花蓮でのホエールウォッチング、南嶼や緑島などへの訪問を推奨し、技術と生活美学の深い統合を示している。

玉山數位科技會長黃志芳。(黃信維攝)
玉山デジタルテクノロジー会長の黄志芳。(黄信維撮影)

TECH WORLD館は一日限定公開 各回30名のみ受入れ

今回の展示企画において、玉山デジタルテクノロジーは工業技術研究院、ASUSなど台湾の一流技術・クリエイティブチームと協力し、技術と文化が共存する展示館体験を創造した。黄志芳は「各展示区域は、チームが何度も議論を重ね練り上げた成果であり、来場者が毎回新たな感動を得られることを願っている」と述べた。

他の館が開放式の流れ作業的な見学方式を主とするのと異なり、TECH WORLD館は一日限定公開で、各回30名のみを受け入れ、複数の案内スタッフがリレー形式で解説を行い、「量より質」を重視し、各来場者の体験の質を高めることに注力している。展示館では中国語、日本語、英語の三言語のガイドチャンネルを提供し、世界中からの来場者を迎える。

来場者数について、主催者側は6ヶ月の会期中に百万人の来場者を集め、各来場者に深い印象を残すことを期待している。黄志芳は、目標は単に人の流れを追求するのではなく、TECH WORLDに入る一人一人が感動を覚え、記憶に残ることだと指摘した。

最後に、黄志芳は世界に向けて「台湾、日本、そして世界各国の皆様をTECH WORLD館での体験にお招きします。この島の物語と技術の魅力の中で、TECH WORLDがもたらす感動と驚きを感じていただければ幸いです」と呼びかけた。