社説:日本も「ノー」と言う アメリカの対中グローバル経済包囲網の難しさ

最近の交渉から見るとアメリカの各国への対中貿易制限要請は困難、写真はアメリカのトランプ大統領と日本の石破茂首相がホワイトハウスにて。(資料写真、AP)

トランプ氏が対等関税を以て「万国来朝」を米国との交渉に強要した後、米国がこれを利用して各国に対中国貿易制限を圧迫している旨が伝えられた。中国商務部は21日、反対を表明するとともに、米国に妥協した国々に対しても「断固として対等な対抗措置を講じる」と述べた。

これは幾つかのことを示している:他国の「選択」圧力が一層増大し、米国の中国抑制力が益々及ばなくなり、より多くの国々の参加を必要としている。勿論、米国の長腕管轄権が益々伸張する覇権帝国の本質も露呈している。

各メディアの報道角度と内容は必ずしも一致していないが、米国が対等関税交渉において、極めて多くの様々な追加条件を付したことは確かである。その中には、交渉国に対中国貿易の削減要求、中国製品の輸入制限による製造業力の抑制、中国企業の米国関税回避のための現地設立阻止(いわゆる原産地洗浄)、日本のような同盟国に対しては軍事費問題も含まれている。ラテンアメリカ諸国に中国の「一帯一路」構想と米国投資の間で選択を迫るのかと問われ、トランプ氏は「恐らく彼らはそうすべきだ」と明言した。

故に、米国との交渉を望む75カ国にとって、より大きな「選択」圧力に直面することとなった。この強制的な選択は、過去大多数の国々が極力避けようとした窮地である。既にトランプ1.0時代において、シンガポールの当時の首相リー・シェンロンは、ASEAN諸国が「米中間での選択を望まない」と幾度も表明していたが、米中競争が益々激化する中、「選択」圧力は一層増大している。

さらに、バイデン時代は「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」という経済協力方式でASEAN諸国を誘引・懐柔したが、現在のトランプ氏は非協力的な国々に制裁を科し、対等関税引き下げを阻止し、さらには所謂「二次関税」で非協力国を処罰しようとしている。言い換えれば、トランプ氏はより粗暴な懲罰方式で他国の協力を強要し、各国の選択圧力は一層増大し、非協力的であれば米国の「鞭」を食らうこととなる。

加えて、米国は明らかにより多くの国々を連合させ、或いは圧迫して対中包囲網への参加を促そうとしている。過去8年間、米国の対中貿易戦・技術戦は、G7や欧州諸国等の参加を得て実施されてきた。その他の発展途上国・南半球諸国は米国陣営に属さず、中国は懸命にこれらの国々への働きかけ・耕作を行い、包囲網突破を図り、実際にかなりの成果を上げている。2024年通年貿易統計発表時に、中国当局は誇らしげに「友好圏を拡大した」と述べている。 (関連記事: 日米関税交渉:石破茂「譲歩しない」と強調も、コメが最初の譲歩項目になる可能性 関連記事をもっと読む

従って、今回米国が対等関税交渉を利用して各国に対中貿易制限等の条件への協力を求めることは、成功すれば中国への打撃をより効果的なものとし、中国の輸出、貿易、製造業生産、国家経済および産業発展等を抑制・削減できる。しかし、現実的に見て、米国が他国に対中貿易制限への協力を成功裡に取り付けられるかは大いに疑問である。