中国がレアアースに手を出せない1つの理由!内部事情が露呈、専門家「非常にリスクが高い」と指摘

2025-11-22 10:20
中国政府は「台湾有事」における政治的駆け引きで、切り札とされるレアアースの輸出制限をまだ発動していない。(写真/風傳媒撮影)
中国政府は「台湾有事」における政治的駆け引きで、切り札とされるレアアースの輸出制限をまだ発動していない。(写真/風傳媒撮影)
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高市早苗氏が「台湾有事」を「日本有事」とみなすと表明した後、中国政府は旅行警告を全面禁止へと引き上げ、日本の水産物の輸入を全面的に禁止した。さらに、エンターテインメント業界にも影響を及ぼし、日本の芸能人の公演スケジュールが中断された。しかし、この政治的な駆け引きの中で、外界が「切り札」と見なしているレアアースの輸出制限は未だに実施されていない。複数の観察者は、この事態は中国政府がカードを忘れたわけではなく、一度発動すれば、日本と中国の対立だけでなく、世界のハイテクサプライチェーン全体に触れることを理解しているからだと指摘している。副作用が中国に最優先で及ぶ可能性があるのだ。

2010年レアアースショックの影響

2010年に尖閣諸島事件で緊張が高まった際、中国は日本へのレアアース輸出を厳格に制限した。当時、日本は中国から供給を大きく依存しており、代替供給源を急いで探す羽目になった。これらの「産業ビタミン」と呼ばれるレアアースは、電動車、スマートフォン部品、精密軍事システムで広く使われているため、日本の産業界では緊張が走った。15年が経過し、国際環境は大きく変わった。中国政府が再びレアアースカードを切るとすれば、それは日本だけでなく、リスクを分散し始めたグローバル市場全体と対峙することになる。米国前通商代表であるアジア協会政策研究所のエキスパート、カトラー氏は「中国政府がレアアースカードを使用するのは非常にリスクが高い」と警告している。これは他の貿易パートナーに中国への不信を募らせ、各国が米国との共同ネットワークを構築して中国を避けたサプライチェーン構築に拍車をかけることになり、中国政府は将来の交渉の場で利用できる手段が減ることにつながる。

トランプ氏のスタンスと日米関係の政治コスト

中国政府の計算に影響を与えているのは、ワシントンと東京の政治的な構図である。トランプ氏は先月の「米中首脳会談」後に、中国との間でレアアース輸出制限について「グローバルな合意」に達したと公言した。これはレアアース問題を大国間の調整レベルに直接引き上げたことを意味する。もし、中国が日本に対して単独で措置を取り、大規模なレアアース輸出制限をすれば、それはトランプ氏が設けた「合意」に対して傷を付けることになり、二国間の和解ムードを破壊し、米中対立を再燃させる可能性もある。さらに重要なのは、米国駐日大使のグラス氏が明確に表明したことであり、「ワシントンは中日紛争のどの段階でも東京を断固支持する」ということだ。これが中国政府にとって、日米同盟の連動反応を考慮せずにはいられない理由だ。レアアースは単なる経済ツールではなく、米中の力の対立や同盟の信頼を伴うもので、政治的コストは一時の感情では測れないほど高い。 (関連記事: 中国がレアアース輸出を「切り札」に、米国は2年で「脱・中国依存」可能? 米豪は包囲網構築も、専門家は「勝ち目は薄い」と警告 関連記事をもっと読む

中国の「限定的対抗」とグローバルサプライチェーンへの配慮

このような背景の中、中国は現在の対日圧力を象徴的で日常的な生活に影響を与える領域に集中している。日本の水産物の輸入禁止、日本への旅行警告の上昇、日本の芸能人のコンサートや番組協力が中止される事態が挙げられる。中国商務部の報道官である何詠前氏は定例記者会見で、「日本が一貫して行動を続けるならば、我々は必要な措置をとる」と述べたが、実際にはレアアースがリストに含まれることはなかった。ワシントン戦略国際研究センター経済部門のディレクター、ラック氏は、「不安定なサプライヤー」とのラベルが付くと何が起きるかを中国政府はよく知っていると分析している。特に、中国当局が「世界の工場」としてだけでなく、グローバル製造の中心であると何度も強調している背景では、「市場参入を制限する方が、信用コストが低い」という意見もある。ラック氏の見解では、中国政府はドアを閉めることを選んでも、簡単には電源をオフにしないであろう。レアアースは当面手を付けない方が良いという

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