トップ ニュース イラン、UAEの石油施設を攻撃 1900発超のミサイル攻撃で物流混乱、TSMCなど半導体業界も警戒
イラン、UAEの石油施設を攻撃 1900発超のミサイル攻撃で物流混乱、TSMCなど半導体業界も警戒 UAE国防省は現地時間17日未明、同国の防空システムがイランからのミサイルおよびドローン攻撃を継続的に迎撃していると発表した。(写真/AP通信)
米国・イスラエルとイランの軍事衝突が激化するなか、中東地域の安全保障環境が劇的に変化している。対イラン軍事行動の開始に伴い、戦火はペルシャ湾沿岸諸国へと拡大。アラブ首長国連邦(UAE)ではイランからのミサイルや無人機による攻撃が相次ぎ、石油施設、港湾、空港などの重要インフラが標的となっている。中東局勢の不透明化により、世界のエネルギー市場と国際交通の安全が再び危機に瀕している。
激化する攻撃、ドバイ国際空港や重要港湾が標的に UAE通信(WAM)によると、UAE国防省は現地時間17日未明、防空システムがイランからのミサイルおよび無人機の迎撃を継続していると発表した。当局によれば、攻撃は湾岸地域の重要施設に集中しており、16日の一日だけで弾道ミサイル6発と無人機21機の迎撃に成功したという。
紛争開始以来、イランがUAEに向けて発射したミサイルや無人機は計1,900発を超え、現地の緊張は極限に達している。英BBCは、イランが輸送および石油インフラを執拗に狙っていると指摘。UAE最大の港湾の一つであり、石油貯蔵の要所でもあるフジャイラ(Fujairah)が再び無人機による襲撃を受けたほか、ドバイ国際空港の燃料タンクで火災が発生。これにより、同空港の全便が一時発着停止に追い込まれた。
エネルギー供給と半導体産業への波及 ロイター通信によると、アブダビ当局は国内最大の「シャー・ガス田」が無人機による自爆攻撃を受け、爆発・火災が発生したことを認めた。死傷者は報告されていないが、安全確保のため同施設は操業を停止。世界有数の産油国であるUAEのインフラが打撃を受けたことで、エネルギー供給への懸念が市場に広がっている。
影響は石油産業に留まらない。カタール・エネルギーのラス・ラファン(Ras Laffan)ヘリウム総合施設がイランの無人機攻撃を受け、操業を停止した。ヘリウムは半導体製造においてシリコンウエハーの冷却や先進プロセスの低温アニール工程、ウエハー搬送に不可欠な希少材料である。サプライチェーン断絶の懸念に対し、世界最大の受託製造(ファウンドリー)企業である台湾積体電路製造(TSMC)は、「現時点で運営に重大な影響はないと予想しているが、引き続き情勢を注視する」とのコメントを発表した。
UAEが領空を閉鎖、周辺諸国との連携を強化 相次ぐ攻撃を受け、UAE民間航空総局(GCAA)は領空の一時閉鎖を宣言した。当局は「運航安全と国家領土の安全を確保するための特別な予防措置」と説明。空の便の乱れにより、利用客に最新情報の確認を呼びかけている。
一方、アルジャジーラによると、サウジアラビアのファイサル外相とUAEのアブドラ副首相兼外相が電話会談を行い、イランによる「正当性のない継続的な攻撃」を強く非難。地域の安全保障と安定強化に向けた協議を行った。UAE国防省は、一連の攻撃に対して「必要な対抗措置を講じる」と強い姿勢を示している。
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