中国が台独名簿に続き複数人物を国際手配 元台湾調査官も訪中の際に「お茶」に呼び出され波紋広がる

2025-11-22 09:35
中国の対台工作は、国外での長腕管轄だけでなく、国内でも「お茶に呼ぶ」方式で台湾人を尋問し、調査局など退職した諜報官員すら見逃さない。(写真/顔麟宇撮影)
中国の対台工作は、国外での長腕管轄だけでなく、国内でも「お茶に呼ぶ」方式で台湾人を尋問し、調査局など退職した諜報官員すら見逃さない。(写真/顔麟宇撮影)
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中国当局が「台独名単(台湾独立支持者の名簿)」を公表したのに続き、2025年10月から11月にかけて、公安当局は国家分裂などの罪名で立法委員の沈伯洋氏を立件して捜査に着手。さらに「八炯」の温子渝氏や「閩南狼」と呼ばれる陳柏源氏らを相次いで指名手配し、国際刑事警察機構(ICPO)に「レッドノーティス(国際手配書)」の発出を求める動きを見せ、波紋を広げている。近年、台湾海峡をめぐる情勢が緊迫するなか、中国は台湾に対してより強硬な統一戦線工作を展開しており、域外で長腕管轄による威嚇を行うだけでなく、中国国内でも台湾関係者を「お茶に呼ぶ」と称して面談する事例が増えている。特に、中国を訪れた台湾の元情報当局者は、中国国家安全当局の標的になりやすいとされる。

最近も、台湾法務部調査局の退職職員が中国を旅行中、中国の国家安全当局から「お茶に誘われ」たという。関係者によると、この廖姓の元調査官は約40年にわたり勤務し、調査局外勤部門の駐在所で督察を務めた経歴を持つ。主な職務は、機関の安全管理や調査官らの不正行為の点検・監督だったという。中国側から呼び出された後、無事に台湾へ帰国した廖氏は、その面談の経緯、中国側が問いかけた内容、自身の応対などを調査局に報告。これらの情報は、陳白立調査局長の関心を引いている。

20250807-民進黨立委沈伯洋7日出席「台美對等貿易談判相關文件及資訊處理協議」秘密會議。(顏麟宇攝)
中国は立件調査中の民進党立委沈伯洋氏(写真)らに対し、グローバルな「赤色通告」の発行を示唆している。(写真/顏麟宇撮影)

沈伯洋氏だけを狙わず 退職調査局職員も中国で「お茶」に招かれる

調査局関係者によれば、調査局は警察と同様に経済事件や薬物犯罪など幅広い案件を捜査しているが、それに加えて国家安全を守るという重要な任務を担っている。具体的には、中国のスパイ摘発や浸透工作の防止であり、これらは中国当局との関わりが避けられない領域だ。調査局の国家安全任務の詳細や関連人員の情報は、中国国家安全当局にとって優先的に収集すべき対象になっているという。

かつては国共内戦の因縁もあり、敵味方は相容れず、まさに「生きるか死ぬか」の状況で対峙していた。その延長線上にある台湾側の反浸透作戦も、長く中国側との激しい攻防が続いていたため、調査局職員は退職後も中国へ旅行したり親族を訪ねたりすることなど考えもしなかったという。だが、その後は両岸情勢が緩和し、中国国家安全当局から「お茶に誘われる」ことはあっても、罪に問われるといった事態はこれまでなく、退職後に中国を観光で訪れる元調査局職員も徐々に増えていた。

ある退職した調査局関係者は『風傳媒』に対し、以前、調査局の幹部経験者が退職後にウイグルを旅行した際、中国国家安全当局から「お茶」に呼ばれたケースがあったと明かした。中国側は丁重な態度だったが、相手も一筋縄ではいかない元ベテラン捜査官で、年齢を理由に「今回は遠慮したい。次に来た時に改めて」と探りを入れたという。その申し出は、中国側が上層部に確認したうえで認められた。中国当局としては「長期戦」で再訪を待つつもりだった可能性があるが、その幹部が中国を再び訪れることはなかったという。

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