株式会社電通(東京都港区)は16日、企業の研究開発(R&D)活動を新たな事業創出につなげる実践的プログラム「R&D For Growth(アールアンドディー・フォー・グロース)」の提供を開始した。グループ会社の電通総研と連携し、企業のR&D部門、事業部門、経営層と協力して技術の価値を再定義し、マーケティングまで一貫支援する。

このプログラムは、企業が持つ独自技術を「コアコンピタンス(中核的競争力)」として見直し、革新的な事業構想を立ち上げる仕組みだ。さらに、電通のマーケティング資源を活用して事業化の実現可能性を高め、市場投入までを包括的に支援する。
提供される主なアプローチは3つ:
1.技術価値リ・フレーミング:技術の本質的価値を再発見し、共有できる資料として可視化・整理する
2.事業コンセプト・モデリング:技術を起点に事業機会を多角的に分析し、実現可能な構想に落とし込む
3.マーケティング・デザイン:市場投入を視野に入れ、マーケティング資産を活用して成長を一貫支援する

近年、製造業をはじめ多くの産業では、急激な事業環境の変化に対応するため、R&D活動が単なる技術開発だけでなく、イノベーションやビジネスモデル変革の核として注目されている。電通は、R&D部門と他部門の連携を強化し、組織内の「サイロ化」(部門間の壁)解消を目指す。これにより、部門を超えた新たな価値創出の実現を図る。
今回の取り組みでは、電通と電通総研に加え、グループ会社のドリームインキュベータがこれまで開発したR&D支援プログラムとも連携する。クライアント企業の内部に深く関わりながら、持続的な事業成長を支える真のパートナーとしての役割を担う。
編集:佐野華美(関連記事:暗号通貨が変えるギャンブル産業:VPNと仮想通貨で年間814億ドルの巨大市場誕生|関連記事をもっと読む) (関連記事: インタビュー》関西万博のTECH WORLD館が六感没入体験を創造 黄志芳:百万人の観客に感動を与えたい | 関連記事をもっと読む )
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