ガザで前代未聞の飢餓：2時間に1人死亡！ 骸骨のような子どもが病室に溢れ、イスラエルが援助制限で「徐々に餓死」

イスラエルの封鎖と戦火の中、ガザで飢餓が命を迅速に奪い、社会の秩序と尊厳を破壊していることが明らかになった。『ガーディアン』は23日、ガザの病院が痩せ細った子供たちで満員になり、医師や援助関係者、記者でさえ食べ物が足りない状態を報じた。イスラエルは「ハマスが資源を奪取することを防ぐ」との理由で援助の配布を管理しているが、ガザの住民が物資をめぐって命を落とす事態を引き起こし、「人為的に引き起こされた大飢饉」であるとされている。専門家は「イスラエルはガザを飢餓で精神的に崩壊させ、社会を解体しようとしている」と警告し、人々は「今日、どこで食べ物を手に入れられるのか」が唯一の課題としてある。

7か月齢で体重が4キロ未満

ガザ市の「病友慈善協会病院」に入院中の無数の飢えた子供たちの中で、7か月齢のムハンマドもまたその一人である。彼の四肢は皮と骨だけになり、肋骨が胸から突き出ている。体重は4キロ（平均的な満月の新生児の体重）に満たない。飢えで一日中泣き、乾燥した指を噛む姿は心が痛む。同病室にはムハンマドのような骸骨のような子供たちが詰めかけ、一部のベッドには二人の子供が押し込められている。

「孫が飢えて死ぬのが本当に怖い」と祖母のファイザ（Faiza Abdul Rahman）は語り、家族全員が頻繁に食料不足を経験していると述べた。彼自身、前日にはピタパンを一切れしか食べていない状態だった。ムハンマドの兄弟姉妹も空腹で眠りにつくことが多いという。ムハンマドは生まれた時は健康だったが、母親は栄養失調で授乳ができず、家族はこれまでに乳児用調製粉乳を2缶しか入手していない。

『ガーディアン』によると、2年間続く戦火で飢餓警告は何度も出されたが、ガザはここまで飢えていたことはなかった。7月21日から23日の3日間だけで、公衆衛生当局が記録した飢餓による死亡者数は43人に達し、2時間ごとに1人が飢えで亡くなっている計算になる。過去2年間で飢餓による死亡の総数は68人であったのに対し、現在その数が1週間で到達する可能性が高い。

イスラエルが援助を管理、「徐々に」ガザを飢えさせる

イスラエルは3月2日からガザを全面封鎖し、長期にわたる食糧不足・強制移住・体力の低下に苦しむパレスチナ人に対し、庶民が満足に食べるにはほど遠い量の食糧しか届けていない。5月19日、イスラエルのネタニヤフ首相は「飢餓危機」の国際的な印象を避けるため封鎖解除を発表したが、実際はわずかな援助で飢餓を引き延ばし、「徐々に」ガザを飢えさせるという戦略を取った。 （関連記事： フランスが「パレスチナは国家」と認める意向を表明！ マクロン大統領、中東和平は可能と強調。国連総会で正式発表へ ｜ 関連記事をもっと読む ）

さらに、イスラエルとアメリカの支援で設立された「ガザ人道基金」（GHF）も物議を醸している。パレスチナ人は基金の物資配布地点への道のりを「死の罠」と形容し、「軍事緩衝地帯」に誤って進入するとイスラエル軍に射殺される可能性があり、混雑により踏み潰されるリスクもある。国連は5月末以降、食糧を探す中でイスラエル軍に殺害された人が1,000人を超えていると報告している。

『ロイター』によると、イスラエル政府は220万人のガザ住民の苦難をハマスのせいにし、援助を管理する行動はハマスなどの武装組織に資源が渡るのを防ぐためであり、戦争中も「十分な食糧」をガザに提供したと主張している。

しかし、『ガーディアン』の推算によれば、「ガザ人道基金」が58日間で持ち込んだ食糧は、ガザの全人口が2週間持ちこたえるにも足りない。オックスファムのスコット・ポール（Scott Paul）氏もCNNに対し、イスラエルは援助物資の配布を制限しており、ガザ住民に届く食品は需要を遥かに下回ると語った。

小児科医、人道組織、駐在記者も飢えている

食糧不足だけでなく、ガザの医療リソースも不足している。ガザ市には小児科の医療チームが2チームしか残っておらず、それにもかかわらず200人以上の子供たちが毎日診察に訪れる。ムサブ・ファワナ（Musab Farwana）医師は、一日中これらの子供たちを救うために尽力しているが、しばしば成果がない。基本的な注射薬が入手できず、代わりに使われる経口薬も子供たちは上手く吸収できていない。今週だけで3人の重患者が命を落としている。

仕事後には、ファワナ自身も飢えた子どもたちと夕食を分け合わなければならない。彼の給料では買えるものがほとんどなく、市場の棚は空っぽで、物価は急騰している。小麦粉の価格は年初の市場価格の30倍以上になっている。ファワナは「ガザ人道基金」の物資配布所には行きたくない。別の医師ラムジ・ハジャジ（Ramzi Hajaj）は物資を取り合う中で命を落としたためである。

ガザでは、すべての「裕福で力のある人々」も免れることができず、「人溺己溺」は同情による選択ではなく、避けられない現実となっている。100を超える国際援助団体は、彼らの同僚とパートナーが飢餓により日に日に痩せていくのを目の当たりにしているとする共同声明を発表。AFP通信社の記者組合は、同社が歴史上初めて記者が飢えで亡くなる可能性に直面していることを指摘している。

飢餓によって社会の意味を失っていると専門家警鐘

『ガーディアン』によると、飢餓はパレスチナ人の命を奪うだけでなく、社会全体を体系的に破壊し、心身に恒久的な傷をもたらしている。生理的には、長期的な飢餓は体が自己の筋肉や臓器を分解して生命を維持し、子供たちの身体的および認知的発達を妨げる。さらには次世代の健康にも影響を与える。

しかし、飢餓は生理的な問題に留まらず、社会構造を破壊する。人々が食糧を取り合って敵対し合うことになり、羞恥心や自傷、暴力行為に追い込まれる。たとえ後に身体が回復しても、心理的な傷は一生癒えない可能性が高い——子供たちの中から選ばなければならなかったり、食物を求める親族を拒絶せざるを得なかったり、あるいは自身や姉妹、娘を食物と引き換えに差し出す記憶が一生を通して付き纏う。 （関連記事： フランスが「パレスチナは国家」と認める意向を表明！ マクロン大統領、中東和平は可能と強調。国連総会で正式発表へ ｜ 関連記事をもっと読む ）

このように、飢餓は目的であり、手段でもある。アメリカのタフツ大学世界平和基金会の執行長であり『大飢饉』（Mass Starvation: the History and Future of Famine）の著者であるアレックス・デワール（Alex de Waal）は、「飢餓に耐える人々にとって、創傷、羞恥、尊厳の喪失、禁忌の打破、そして社会的結びつきの崩壊は、空腹自体よりも記憶に残る」と指摘している。

飢餓は目的でもあり、手段でもあるとデワールは述べている。加害者は、大規模な死亡を引き起こさない最低限のカロリーを提供し、飢餓が続くことを許し、一つの集団の尊厳と社会秩序を破壊しようとする「ジェノサイド的ヒューマニタリアニズム」を用いている。

死神が報い続ける

22日、ある母親ウム・ユース・アル・ハリディ（Umm Youssef al-Khalidi）は初めて勇気を持って「ガザ人道基金」の物資配布所に行こうとした。過去数か月、彼女は2歳の幼子と麻痺した夫の世話をし続けるため、家を離れるリスクを恐れていた。

「私たちはずっと水を飲んで空腹を抑えてきました」と彼女は言う。「自分を心配するよりも、事故が起きて私がいなくなった場合、私の家族を誰が世話できるのかと考える方が怖いです。」

ハリディ家は先週4日間食糧なしで過ごし、最後には路上で出会った人が一袋の米と二つのジャガイモをくれたおかげでかろうじて飢えを凌いだ。戦前、彼女の子供たちは奨学金を取ってくる優秀な生徒だったが、今では爆撃で破壊されたモスクの外でブレスレットを売って少しの食物を得る日々である。だが今では、飾りを買う人はほとんどおらず、慈悲深い通りすがりがわずかなお金をくれても、物価が高騰しているため、買える食料は限られている。

「私の子供たちは骨と皮だけになり、少し動いただけで立ちくらみします。」とハリディは語る。「彼らが座って、今日は食べ物があるかと尋ねるが、私には何もありません。」彼女はついに、この不確実な帰路に立つことを決意した。戦争当初に携帯を盗まれた夫とは連絡がつかず、単独での長い旅に出ざるを得ず、家族は待ち受け、祈るしかない。

ガザの住民にとって、生きる意味はもはや食糧を求めることだけになり、世界はこの危機に対して目を背けている現実を迎えている。

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