フジロックフェスティバル2025の本編開幕を翌日に控えた7月24日夜、恒例の前夜祭が新潟・苗場スキー場で開催された。盆踊りや豪華賞品が当たる抽選会、打ち上げ花火、さらに深夜のRED MARQUEEステージでのライブなど、多彩なプログラムが繰り広げられた。
会場には国内外から多くの来場者が詰めかけ、初対面同士が自然と交流を深める光景も。前夜祭ながらも本編に匹敵する一体感が生まれ、苗場は早くも熱気に包まれていた。

午後6時、OASISエリアの開放とともに恒例の盆踊り大会「苗場音頭」がスタート。日本各地からの来場者に加え、アジアや欧米から訪れた外国人も輪に加わり、音楽に合わせて見よう見まねで踊る姿が印象的だった。手拍子が自然と広がり、初対面の観客同士でも笑顔で交流する光景が広がった。

その後に行われた大抽選会では、当選番号が読み上げられるたびに歓声と拍手が起こり、当選者には周囲から祝福の声が飛び交った。大食い大会や打ち上げ花火も実施され、OASIS一帯は夏祭りさながらの賑わいを見せた。

午後8時からはRED MARQUEEでスペシャルライブがスタート。DJ MAMEZUKAによるオープニングに続き、インドネシアのサーフロックバンド「THE PANTURAS」、日本のインディーシーンで注目を集める「DYGL」、アクロバティックな演出で観客を魅了した「SAKURA CIRCUS」、そして独自の世界観を持つ「PARLOR GREENS」が次々に登場した。各セッションの間にはDJプレイも織り交ぜられ、会場は深夜までノンストップで盛り上がりを見せた。

会場内には、イギリス人アーティスト、ゴードン・マッカグ・サード(Gordon McHarg III)によるカラフルな石のアート作品「ゴンちゃん」が随所に設置されていた。赤や青、自然のままの色など様々な色彩の石には目が描かれ、まるで観客を見つめ返しているかのような存在感を放っていた。写真を撮る人々や、石の前でポーズを取る子どもたちの姿も多く見られた。

フジロックは「世界で最もクリーンで環境に優しいフェスティバル」を掲げており、前夜祭でもその理念は徹底されていた。会場には黄色い分別テントが設置され、可燃ごみ・缶・ペットボトル・紙など10種類以上に分けた回収箱が並び、スタッフやボランティアが常駐して来場者に正しい分別を案内。誤った分別があればその場で指導が入り、イベント終了後の地面にはほとんどゴミが残されていなかった。