日本政界に激震、石破首相辞任報道を強く否定
日本政界は23日、大きな波紋に包まれた。複数の主要メディアが「石破茂首相が自民党幹部との非公式会談を経て辞任を決断」と報じ、政局は一気に緊迫した。だが、同日午後、石破氏は自民党本部での記者団の取材に応じ、「会談で私の出処進退については、一切、話は出ていない。そのような発言をしたことは一度もない。報道されているような事実はまったくない」と辞任を強く否定した。
石破氏は「報道にあったような事実は一切存在しない」と語り、外交や内政における重要政策の進行を理由に「無責任に政局を停滞させるわけにはいかない」と述べた。また、続投は地位の保身ではなく「政治空白を作ることはできない」と力を込めた。
自民党内で辞任圧力?麻生・菅・岸田との3者会談の行方
富士ニュースネットワーク(FNN)、NHK、毎日新聞などは同日午前、石破氏が午後に自民党の麻生最高顧問、菅副総裁、それに岸田前総理大臣の3人と会談する予定であると報じた。さらに、党内の中堅・地方幹部の一部が参院選の敗北責任を問う動きを見せており、「辞任論」が急浮上していると伝えていた。
こうした中、石破氏は「麻生最高顧問、菅副総裁、それに岸田前総理大臣の3人の元総裁に来てもらい、森山幹事長とともに話をした。強い危機感をみなで共有したほか、党の分裂は決してあってはならないなど、いろんな話合いがあった」と説明。会談で自身の進退が議論されたとの報道についても「私の出処進退については一切話は出ていない」と否定した。
続投の鍵は関税協議?赤澤亮正氏の帰国待ちに言及
また石破氏は、米国との関税交渉について「4,000項目以上の輸出品目に関わる極めて重要な協議であり、担当者である赤澤経済再生担当大臣の帰国後に交渉状況の報告を受けたうえで、政策判断を行う必要がある」と述べた。
この発言は、辞任の時期を先送りする「政治的猶予期間」を設けるための布石と見る向きもあり、石破氏が外交と内政の両面で影響力を維持しつつ、政権交代の混乱を回避する狙いがあると分析されている。
「8月末辞任」報道との矛盾も 一時は身内に意向伝達か
なお、毎日新聞は同日朝、石破氏が周囲に「8月末までに辞任する意向」を伝え、3者会談でその考えを表明する段取りを進めていると報じていた。しかし、石破氏の発言はこれと食い違っており、政界内では情報の錯綜が続いている。
政治アナリストの間では「今回の発言は辞任を一時的に回避するシグナル」との見方が広がる一方で、「党内の圧力がさらに高まれば、参院選後の早期退陣もありうる」との声も上がっている。
首相辞任なら総辞職へ 自民は緊急総裁選に備えか
憲政上、首相が辞任すれば内閣は総辞職する。自民党が引き続き与党である以上、後任首相は党内での臨時総裁選を経て決定される。石破氏が仮に8月末に辞任した場合、米国との関税協定の実施時期や、秋の衆院解散戦略に影響を及ぼす可能性もある。
一方で、石破氏が主要交渉や政策の枠組みを固めたうえで退陣に臨めば、「安定した引き継ぎ」を演出することで、将来的な政治復帰の余地を残す可能性もある。
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編集:梅木奈実 (関連記事: 石破首相、「辞任報道は事実無根」と否定 「党分裂あってはならない」と強調 | 関連記事をもっと読む )
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