台湾・気象署によると、本日台湾は依然として低気圧帯環境下にあり、水蒸気は減少傾向にあるものの、各地で陣雨や雷雨が発生する可能性があるという。東半部の雨勢は昨日より短時間となり、西半部の降雨はより局地的となるが、花蓮・台東地区および午後の中南部では局地的大雨が発生する確率があるとした。気象専門家の呉徳栄氏は、「熱帯システム」が台湾東側海面を通過し、もう一つの「熱帯システム」がグアム北方海面にあり、こちらはより強く発達していると指摘した。
花蓮・台東地区および午後の中南部で大雨
連日の降雨を受け、気象署は山間部への外出時は安全に注意するよう呼びかけた。降雨が減少し気温が上昇する中、各地の最高気温は約29~32度となり、雨が降らない時は蒸し暑くなるという。各地の最低気温は約24~26度となる。離島の天気については、澎湖、金門、馬祖いずれも短時間の陣雨や雷雨があり、気温は約25~30度となる。
低気圧帯の影響で、気象署によると、新北、桃園、高雄・屏東沿岸部および金門、蘭嶼、緑島の局地的地域では、平均風速6級または瞬間最大風速8級以上の強風が発生しやすいという。東南部(蘭嶼、緑島を含む)、南部、恒春半島沿岸部および澎湖では高波が発生する確率があり、波高は2メートル程度に達する可能性があるため、海辺での活動には注意が必要だとした。
呉徳栄氏、「熱帯システム」が台湾東側海面を通過と予測
中央大学大気科学系兼任副教授の呉徳栄氏は、気象応用推進基金会の「洩天機教室」コラムで、最新のヨーロッパモデル(ECMWF)シミュレーションによると、今日・明日(22、23日)の両日は依然としてモンスーン循環内にあり、大気が不安定で、東半部では局地的な陣雨や雷雨があると表明した。西半部山間部では午後に局地的な陣雨や雷雨があり、一部平地にも拡大する確率があるという。
花蓮・台東地区は連日多雨で土砂が緩んでいるため、山間部での活動は避けるべきだとした。
最新の気象モデルによると、24日と25日(木・金)は「熱帯システム」の外縁とモンスーン環流の影響で、北台湾では顕著な雨が降り、時折強めの突風が吹く見込みだ。中南部では午後に局地的なにわか雨や雷雨の可能性がある。
26日から28日(土~翌週月曜)もモンスーン環流の影響が続き、大気の状態は不安定で、各地で局地的なにわか雨や雷雨が予想される。午後は対流活動が活発となり、雨が降らない時間帯は蒸し暑い。
気象署の最新「進路ポテンシャル予測図」によると、「ウィパー」は東京湾に位置し、きょう正午に上陸してベトナム北部を襲う見込みだ。
最新の欧州モデル(ECMWF)のアンサンブル進路予測図では、「熱帯システム」が台湾東方の海域を通過し北部海域に入るものの、強い鉛直風切りがあり、構造も緩くまとまりにくいため、「熱帯低気圧」程度、もしくはかろうじて弱い「軽度の台風」として発達する見込みとなっている。
一方、最新の米国モデル(GEFS)のアンサンブル進路予測図(右図)では、別の「熱帯システム」がグアム北方の海域にあり、こちらは強めに発達するが、予測される進路は主に北寄りで、台湾からは大きく離れる見通しだ。影響は及ばず、心配する必要はないとされている。


資料出典:《洩天機教室》
編集:柄澤南 (関連記事: 台南、台風4号被害に日本各地が義援の輪 市長「友情は風雨に負けない」 | 関連記事をもっと読む )
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