中国の半導体メーカーの台頭や新規顧客開拓の失敗、海外企業との協力交渉の決裂などが重なり、新潟県小千谷市の半導体会社「JSファンダリ」は7月14日、東京地方裁判所に破産を申請し、正式に破産手続きを開始した。
日本JSファンダリが破産を表明、530人が突然解雇
『朝日新聞』によると、JSファンダリは日本政策投資銀行傘下のファンドによって2022年に設立された。特定の大手企業グループには属さず、主力業務はパワー半導体の受託生産で、製品は電力制御など幅広い分野で用いられていた。
同社はもともと大手家電メーカーに属していたが、その後米国の半導体企業に売却され、最終的にJSファンダリが事業を引き継いだ。新潟県は当時、約3億1,000万円を補助し、事業転換や発展を後押ししていた。
当初は大きな期待を集めていたものの、東京商工リサーチによればJSウェハは2023年度に13億7,200万円の損失を計上。さらに海外企業との資本提携も実現できず、資金繰りが行き詰まり、負債は約161億円に膨らんだ。結果として破産の道を選ばざるを得なかった。
破産当日、同社は約530人の従業員を一斉に解雇し、地方自治体や地域社会に大きな衝撃と不満を広げた。経済への影響を抑えるため、小千谷市と近隣自治体は16日に緊急雇用対策本部を設置し、従業員の再就職支援を急いでいる。
地方経済への影響
JSファンダリの倒産は、地域の労働市場に直接的な打撃を与えた。「小千谷・長岡地区緊急雇用対策本部」の統計では、同社531人の従業員のうち小千谷市に196人、長岡市に239人、魚沼市と十日町市に合わせて38人が在籍していた。
対策本部は現在、企業の求人情報を集めて支援説明会を開催しており、すでに134件の求人が報告されている。小千谷商工会議所も会員企業に対し、従業員の受け入れを呼びかけている。
小千谷市の宮崎悦男市長は記者会見で「JSファンダリが地方政府に事前通知をせず、突然の解雇に踏み切ったことに強い憤りを覚える。市はまったく知らされておらず、企業には説明責任を果たしてもらいたい」と語った。
現在、新潟県と複数の自治体は、JSファンダリの事業を引き継げる企業を探し、地域経済の立て直しと人材流出や産業空洞化の防止を目指している。
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