台風4号・ダナスの襲来により深刻な被害を受けた台湾・台南市に対し、日本各地の自治体や関係者が相次いで支援の意志を表明している。日本の主要メディアでも被害状況が大きく報道され、先週には石破茂首相や日華懇の古屋圭司会長、さらには安倍昭恵・前首相夫人らが相次いで台南へのお見舞いの言葉を寄せた。
とりわけ台南市と友好関係にある山形市、弘前市、本庄市、さらには映画『青春18×2 君へと続く道』のロケ地として台南とゆかりの深い福島県只見町などが、被災地支援のため市民に向けて募金活動を展開。また、山口県も来週にも現地を訪問し、義援金を直接寄贈する予定だという。
台南市の黄偉哲(こう・いてつ)市長は、日本からの温かい支援に対し、市民を代表して「心より感謝申し上げます」と謝意を表明した。
台湾と日本、災害時に支え合う「最も強い後ろ盾」
黄市長は「台湾と日本はこれまで数多くの自然災害に直面してきました。だからこそ、お互いの痛みを理解し、困難な時には必ず手を差し伸べる間柄です」と語る。1999年の台湾・921大地震や2016年の台南地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、そして今回の台風4号による被害に至るまで、両国は常にいち早く相互に支援の手を差し伸べてきた。
黄氏はまた、「今回の台風で私たちは甚大な被害を受けましたが、日本各地の都市からの見舞いや支援の申し出は、まさに“風雨にも負けない真の友情”を証明するものです」と述べた。
絆が結ぶ日台 市民の善意に台南から感謝の声
台南市はこれまでも日本の複数の自治体と積極的に交流を深めてきた。こうした長年の絆が、今回の災害時にも自然な支援の流れを生んだ形だ。募金活動を通じて寄せられた日本の市民からの善意と、被災地の一日も早い復興を願うメッセージは、台南市民に確かに届いているという。
「台風被害からの復興に向けて、私たちは日本の友人と共に前を向き、活力ある未来をともに迎えたい」。黄市長はそう語り、改めて日台の絆の強さを強調した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 「台湾南部が“通信孤島”に」台風から2週間経っても復旧せず 断水・停電・通信断絶に政府対応へ批判噴出 | 関連記事をもっと読む )
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp