独占》台湾師範大学採血事件の真相 学生アンケートが示した「休暇剥奪とデータ入力の強制」

2025-07-21 15:11
台湾師範大学女子サッカー部の違法採血事件が全台湾に衝撃を与えた。19日、コーチの周台英氏(右)が謝罪会見を行い、被害学生の一人である簡奇陞氏(左)は謝罪を受け入れると表明した。(写真/柯承惠撮影、サッカー協会公式サイトより/画像合成:風傳媒)
台湾師範大学女子サッカー部の違法採血事件が全台湾に衝撃を与えた。19日、コーチの周台英氏(右)が謝罪会見を行い、被害学生の一人である簡奇陞氏(左)は謝罪を受け入れると表明した。(写真/柯承惠撮影、サッカー協会公式サイトより/画像合成:風傳媒)
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台湾の師範大学で発覚した単位取得をめぐる採血問題が台湾全土に衝撃を与える中、師範大学長の呉正己氏とコーチの周台英氏は19日、そろって謝罪を表明した。被害学生の一人、簡奇陞さんはこの謝罪を受け入れる意向を示した。風傳媒は20日、2018年から2024年にかけて17人の選手を対象に行われた匿名アンケートを独占入手した。自発的な参加者はわずか1人にとどまり、16人は関与を否定。13人が「退出の権利はまったくなかった」と回答し、10人がコーチから「単位は私が握っている」「卒業させない」といった脅迫的な発言を聞いたと証言した。既に報じられている、学生が毎日2~3本の血を採取されていた事実や、支給された手当の大半を総務やコーチに返還するよう求められていた実態、さらに採血を恐れて退部したケースに加え、夏休みや冬休み、祝日がすべて奪われ、データ入力の作業まで強制されていたことも新たに明らかになった。

制度的機能不全を指摘 アンケートは教育部へ送付

アンケート結果によれば、学生は過程全体で拒否の余地がほとんどなく、参加強制や事後の同意書補完、手当の回収、専門的保証を欠いた採血など、問題は特定の教員の職務怠慢にとどまらず、長期にわたり黙認されてきた制度的な機能不全だとされる。また、教育部を含む関係部会が省庁横断的な調査を開始しており、このアンケートの内容は教育部次長の張廖万堅氏に参考資料としてすでに転送されたという。さらに、立法委員の陳培瑜氏、范雲氏、呉沛憶氏の論述では、2018年の実験開始時期や手当の返納、非医療従事者による採血といった点が具体的に指摘されており、根拠のない攻撃ではなく、学生たちの「血と汗の経験」に基づいていることが浮き彫りになった。

20250715民進党立法委員陈培瑜(左一)、范云(中)及人本教育基金会15日举行「强迫抽血恶师免解聘!?台师大血汗学分,教育部不管吗?」记者会。(柯承惠摄)
2025年7月15日、民進党の陳培瑜立法委員(左)と范雲立法委員(中央)、人本教育基金会が、「強制採血悪質教師の解雇免除!?台湾師範大学の血と汗の単位、教育部は管理しないのか?」と題した記者会見を開催した。(写真/柯承恵撮影)

「実験開始前に詳細な説明は一切なし」 同意書は実験完了後に補完署名

全員が「実験開始前に詳細な説明は一切なく、同意書もなかった」と回答している。13人は「実験終了後に補完署名を求められた」とし、退出権は全くなかったと認めた。「単位取得」や「卒業」に関しては、10人がコーチから「単位は私が握っている」「卒業させない」といった脅迫的発言を聞いたか、直接経験したと証言。7人は直接の発言を聞いていないものの、拒否はできなかったと答えている。わずかな学生は「脅迫は聞いていないが、単位のために参加せざるを得なかった」と補足した。

アンケートはまた、採血過程での専門的保証の欠如も示している。採血担当者に医療資格があると確認できたのは2人のみで、8人は「資格がない」と答え、7人は「身分を全く知らない」とした。手当に関しては構造的な問題がより鮮明で、1000元から2000元(約4,600~9,200円)の手当を受け取ったのは5人にすぎない。一方で、少なくとも10人が「現金を引き出した後、部活動の総務に渡すよう求められ、総務がコーチに渡した」と回答した。学生の声として「周コーチが総務に渡すよう指示し、総務が全額をコーチに渡した」「コーチは『この金額は実験経費だから部活動に返納するように』と言った」といった証言が寄せられた。中には「部活動費の補填と言われたが、部活動費と採血手当は全く関係がない」と疑問を呈する意見もあった。

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