台湾師範大学(台師大)の女子サッカー部で発覚した「強制採血・単位交換」問題を受け、女子サッカー部のコーチである周台英(チョウ・タイイン)氏に対し、台湾サッカー協会(CTFA)は23日、懲戒委員会を開催し、指導者資格を剥奪し、生涯にわたってすべてのサッカー関連業務への関与を禁止する処分を下した。
重大な選手いじめ、学業評価を人質にとった強制実験
懲戒委員会によれば、周氏は選手に対して同意のない採血を強要し、これを単位の付与と結び付けるなど、明らかに選手への権力的な圧力を行使していた。さらに、特定の選手を孤立させるなどのいじめ行為もあったとされ、心身への重大な影響を及ぼしたことが確認された。
CTFAは、これらの行為が「特定体育団体のスポーツコーチ資格認定および管理規則」第4条第10項に該当し、深刻な規律違反であると判断。同規則第13条に基づき、周氏のコーチライセンスを正式に取り消すとともに、今後一切の資格申請も認めないことを決定した。
関係当局からの通報と証拠精査
CTFAによると、本件は先週木曜日、主管機関であるスポーツ署(日本のスポーツ庁に相当)から正式に通報され、調査報告書や証拠資料が提出された。協会は証拠の精査と事実確認を経て、速やかに懲戒委員会の開催を決定し、周氏にも電話と文書で通知した。
懲戒委員会は、証拠に基づいた詳細な検討の末、行為の悪質性と影響の重大さから「生涯にわたるサッカー界からの排除が妥当」と結論づけた。
サッカー界の信頼回復に向けて
CTFAは本件について、「スポーツにおける信頼と倫理の根幹を揺るがす極めて深刻な事案」と位置付けており、今後も選手の権利保護と健全な育成環境の確保に努めていく方針を示している。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾師範大学、女子サッカー部で「血液と単位交換」強要事件 研究名目の強制採血に批判殺到 | 関連記事をもっと読む )
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