西北太平洋では現在、複数の熱帯システムが活発化しており、台湾中央気象署と日本気象庁の観測によると、台湾の南東方・フィリピン東海上にあった熱帯低気圧が、7月23日午前8時に台風第7号「フランシスコ(Francisco)」に発達した。
台湾の気象専門家・賈新興(か・しんこう)氏によると、今後数日で「3つの台風が同時に存在する可能性」が高まっており、沖縄やルソン島、台湾周辺の天気に大きな影響を及ぼす可能性があるという。
台風7号(フランシスコ)の進路と影響
台風7号「フランシスコ」は、現在北西へ進んでおり、週後半には台湾北東沖を通過して琉球方面に接近すると予測されている。台湾における海上・陸上警報の発令については、今後の進路や発達状況を見極めたうえで中央気象署が判断する。
熱帯擾乱「99W」:台風発達の可能性
このほか、台湾周辺には2つの熱帯擾乱が存在している。ひとつは「99W」と呼ばれるもので、7月24日〜25日にかけて台風に発達する可能性がある。進路はフィリピンのルソン島方面と見られ、現時点では台湾本島への直接的な影響は小さいとされるが、進路・勢力の変化に注意が必要だ。
熱帯擾乱「98W」:北東へ遠ざかる可能性
もうひとつの「98W」は太平洋上に位置し、7月25日〜26日にかけて台風となる可能性がある。予想進路は東北方向へ向かう見込みで、台湾への影響は限定的と見られている。
今後1週間の台湾の天気:外側環流の影響も
これら3つの熱帯システムの外側環流により、台湾の天候は今週大きく変動する見通しだ。
中央気象署の予報によれば、25日(木)は北部(桃園以北)および宜蘭で局地的なにわか雨が予想され、南部や山間部でも午後に雷雨の可能性がある。東部の花蓮・台東でも断続的な雨が見込まれる。
26日(金)は雨の中心が彰化以北に移り、全土で午後に局地的な雷雨が起こる可能性がある。
週末の27日(土)〜28日(日)にかけては、新竹から台南、宜蘭、花蓮、台東など広範囲で雨の可能性が高まり、午後には台湾全土でにわか雨や雷雨が発生する見込みである。
【まとめ】
台風7号「フランシスコ」:台湾北東沖を通過し琉球に接近の見込み。
熱帯擾乱「99W」:24〜25日頃台風化、ルソン島へ進む。
熱帯擾乱「98W」:25〜26日頃台風化、北東方向へ進む見込み。
台湾では今週を通して広範囲で雨の予報、特に午後の雷雨に要注意。 (関連記事: 台南、台風4号被害に日本各地が義援の輪 市長「友情は風雨に負けない」 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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