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台湾で前例なき「大規模リコール」実施へ 米国の「沈黙」が民進党に追い風?野党幹部「リコールは楽観できない」 「大規模リコール」は今週土曜日に投票が行われる予定で、国民党内部では情勢を楽観視する声もあるが、一方で厳しい外部環境が国民党に不利に働くとの見方も根強い。写真は国民党主席・朱立倫氏(資料写真、撮影:顏麟宇)。
7月26日、国民党所属の立法委員24人を対象とした「大規模リコール」が実施される。この情勢について現時点での分析では、国民党側に不利な要因が3つあるとされている。第1に、台湾の政治勢力の基盤は民進党優勢であり、全体的な世論環境が国民党にとって不利であること。第2に、米国の態度がすでに民進党寄りになっているように見えること。第3に、国民党が今回のリコールを「内閣不信任」につながる政権攻防戦として十分に昇華できておらず、その戦略に誤りがあるのではないかという見方だ。ある在野党の幹部は《風傳媒》の取材に対し、「今回のリコール選挙は楽観視できない」と語った。
今回リコールの対象となっている議員は以下の通り。基隆市では林沛祥氏、台北市では王鴻薇氏、李彥秀氏、羅智強氏、徐巧芯氏、賴士葆氏、新北市では洪孟楷氏、葉元之氏、張智倫氏、林德福氏、廖先翔氏、桃園市では牛煦庭氏、涂權吉氏、魯明哲氏、萬美玲氏、呂玉玲氏、邱若華氏、新竹市では鄭正鈐氏、台中市では廖偉翔氏、黃健豪氏、羅廷瑋氏、雲林県では丁學忠氏、花蓮県では傅崐萁氏、台東県では黃建賓氏となっている。
国民党は19日、「悪質なリコールに反対し、独裁と戦う!罷免に不同意を」のスローガンを掲げ、北部で「黄金ウィーク決起集会」を開催した。会場には朱立倫主席、新北市の侯友宜市長、韓国瑜立法院長など党の重鎮が出席した。(写真/陳品佑撮影)
民間から発起され、民進党の呼応を受けて進められている今回の大規模リコール運動について、国民党内部では選挙情勢を比較的楽観視する声がある。仮に一部の立法委員が失職したとしても、立法院における与野党の勢力構図に大きな変化はないと見ているためだ。しかし、外部の一部分析では、全体の情勢には3つの要因が影響しており、国民党にとっては決して有利とは言えないとの見方も出ている。
台湾の選挙地盤は民進党優勢 国民党にとって不利な情勢続く まず、今回のリコールは総統選や統一地方選挙のような全国規模の選挙ではなく、補欠選挙やリコールといった単一案件の選挙であるため、投票率はそれほど高くならない傾向がある。政治への関心が低い中間層の有権者は投票に消極的で、実際に投票所へ足を運ぶのは、与党・野党いずれかへの支持意識が強い層に限られるケースが多い。実際、これまでのリコール選挙でも、2015年に行われた国民党籍の蔡正元氏のリコールでは投票率25%、2017年の時代力量・黃國昌氏のケースでは27.75%、2021年の基進党・陳柏惟氏のリコールは51.72%、2022年の無所属・林昶佐氏のリコールでは41.93%となっている。
このように投票率が高くない選挙では、最終的にカギを握るのは与野党それぞれの「基礎票」のぶつかり合いとなり、どちらが多くの支持層を動員できるかが勝敗を左右する。だが、2024年の総統選の結果を見ると、民進党の頼清徳氏が得票率40%、国民党の侯友宜氏が33.49%、民衆党の柯文哲氏が26.46%という結果だった。全体的に見れば、民進党の支持基盤は40%前後で安定している一方、国民党は約30%にとどまっており、もともと基礎票の面でも国民党が不利な立場にあるのは明らかだ。
民進党主席頼清徳氏は23日の中常会で「最後の一歩、皆で頑張ろう」と呼びかけた。(写真/民進党提供)
米国はすでに民進党寄りに傾いたのか? ある在野党幹部は《風傳媒》の取材に対し、今回の台湾における大規模リコールの動きについて、米国の姿勢が非常に注目に値すると分析した。本来、各選挙区の国民党議員に対して無差別にリコールを仕掛ける行為は、もはや一般的な民主的手続きを超えた、あからさまな政治闘争といえる。しかし、民主主義の価値を重んじるはずの米国は沈黙を保つどころか、むしろ二度にわたって民進党を側面支援するような動きを見せた。
一つ目の動きは、米国が民進党政権のために関税交渉の結果を意図的に伏せ、期待以下の数値が明らかになることでリコール情勢に悪影響を及ぼすのを避けた点である。たとえば、中広(中国広播公司)の董事長である趙少康氏が「米国の対台関税は32%だ」と発言し、世論がざわつき始めた際、在台米国協会(AIT)は異例のメディア対応を行い、「交渉は現在も継続中であり、詳細はホワイトハウスや米通商代表部(USTR)の公式発表を基にすべき」とコメント。これによって、関税問題をめぐる国民党の攻勢は一気に勢いを失い、議題として火がつく前に沈静化した。現在、行政院副院長の鄭麗君氏が再び渡米し交渉にあたっているが、リコールの結果が出るまでは、米国が対台関税の具体的な数値を公表する可能性は極めて低いと見られている。
頼清徳総統と呉釗燮 国安会秘書長、顧立雄国防部長 が「台北市2025都市強靭性演習」に出席し、米国在台協会(AIT)処長谷立言氏が頼清徳氏に密着する姿が注目を集めた。(写真/柯承恵撮影)
第二に、趙少康氏が「米国の対台関税は32%だ」と疑問を呈したのと同じ日、在台米国協会(AIT)はフェイスブック上で、米台が「スペースポート(宇宙港)」の協力について協議中であり、発射基地として屏東が有力視されていると発表した。この構想が実現すれば、台湾と米国・ヒューストン間の移動時間が2.5時間に短縮されるという。このニュースが発表されるや否や、大きな注目を集め、関税をめぐる論争は瞬く間にかき消された。
これについて、前出の在野党幹部は、こうした一連の対応から見ても、米国はあらゆる面で民進党政権を支えており、ある種の形で今回のリコールに対して明確なスタンスを取っていると分析している。そのうえで、国民党はこの現実を重く受け止め、細心の注意を払うべきだと警鐘を鳴らした。
では、もし米国が民進党主導のリコールを支持しているとすれば、その背景には何があるのか。ある分析では、仮に民進党が今回のリコールで優勢に立ち、補選で立法院の過半数を獲得し、再び「全面執政」の体制を築いた場合、賴清德政権は今後「反中姿勢」をより強く打ち出すことができる。そうなれば、台湾内部でその動きをけん制する力はなくなり、台湾は確実に米国側に大きく傾くことになるとされる。特に注目すべきは、米中が7月28日、リコール選挙の直後に第三回の貿易協議を控えている点であり、米国が「台湾カード」を切る場面が訪れる可能性もある。このとき、頼清德氏率いる強硬な対中路線の台湾が、米国にとって重要な交渉材料になるという見方もある。
大規模リコール戦、国民党の戦略ミス? 一方で、国民党がリコール戦を戦うのは今回が初めてではないが、全台規模でのリコール戦は史上初の試みだ。過去の国民党によるリコール戦では、主に冷戦的な手法が取られ、投票率が過度に高くなることを避けていた。仮に同意票が反対票を上回ったとしても、選挙人の四分の一に達しなければリコールは無効となるからだ。
しかし、今回はリコール戦があちこちで勃発し、ほぼすべての選挙区の国民党議員がターゲットにされている。大規模な連携は、民進党に対する「国民党嫌い」の気持ちを刺激し、同意票を投じる人々を引き出すことになるだろう。これに対し、国民党は初めての大規模リコールに直面しており、経験が不足している。現状では、国民党はほとんどが各議員に選挙区を任せ、党内のスター人物である趙少康氏や立法院長の韓国瑜氏などが応援に回っているが、「単独でのアプローチ」では、全台に広がる「民進党嫌い」の雰囲気を作り出すには至っていない。
蔣万安台北市長 は既に国民党中堅世代の「リーダー」であり、以前一度「内閣不信任」を叫んだが、その後うやむやになった。(写真/陳品佑撮影)
つまり、民進党は空軍と陸軍の両面から攻めているが、国民党は陸軍だけで必死に耐えているという状況だ。では、国民党は「軽舟が万重山を越える」ように、大規模リコール戦を守り抜くことができるのだろうか?正直なところ、楽観的な見通しを持つのは難しい。
ある在野党の幹部は、実際に大規模リコールが形を成す前から、国民党内部では「内閣不信任」を巡る議論が存在していたと分析している。台北市長の蒋万安氏が内閣不信任を提案したほか、他の国民党の重鎮も「賴政権に立法院を解散させ、全体立法委員選挙をやり直すべきだ」という意見を出していた。しかし、最終的にその議論は立ち消えとなった。
現在、リコールによる圧力はほぼすべて北部と中部の国民党議員に集中している。もし当初、「内閣不信任」の方針を採っていれば、少なくとも民進党の南部選区が手をこまねいていることはなかっただろう。そして、もし一対一の選挙形式であれば、国民党は民進党候補を相手に「点を取る戦い」を挑むことができた。現在のように、「敵がどこにいるのかも分からない」状況ではなく、リコール団体のリーダーの多くが無名であり、彼らが競い合う相手ではないという点が大きな違いだ。
大規模リコールが台海情勢の変数に? 全体的に見ると、現在のところ国民党関係者の対外的な態度は比較的楽観的であり、大規模リコールによっても与野党の力関係、いわゆる「朝小野大」の構図に大きな変化はないと見ている。「せいぜい5〜6議席が失われる程度」との声もあるが、前出の在野党幹部は「決して楽観はできない」と明言している。
特に注目すべきなのは、頼清徳氏が以前発表した「国家団結10講」に対し、中国大陸が強く反発した点だ。中国側は頼氏の発言を「台湾独立の告白」であり、「分裂を実行するもの」と批判し、両岸関係の緊張が一段と高まっている。もし今回のリコールで国民党が大きな打撃を受け、立法院での優位を失い、最終的に民進党が過半数を奪取して再び「全面執政」を実現した場合、頼清德氏は「レームダック(死に体)」状態から脱し、今後の対中政策や両岸のイデオロギー問題において、大きく踏み出す可能性も否定できない。
2025年のこの大規模リコール戦は、台湾海峡情勢を左右する重要な変数になるかもしれない。
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