ポピュリズムの嵐、日本で本格化!若者層が極右派に支持集結、自民党の揺らぐ政治基盤

2025-07-24 11:00
「日本人ファースト」を掲げる日本の新興右派政党・参政党の選挙宣伝物。(ネットより転載)
「日本人ファースト」を掲げる日本の新興右派政党・参政党の選挙宣伝物。(ネットより転載)
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20日に行われた日本の参議院選挙で、極右の小政党「参政党」が「日本ファースト」を掲げ、議席を1から14に大きく伸ばし、今回の選挙で最大のダークホースとなった。移民の制限を訴え、生活に密着した政策を掲げた同党は、働き盛り世代の不満を巧みにすくい上げ、初めて投票する若者層の支持を集めた。こうした勝利は、反グローバル化や排外的な空気の高まりが日本にも広がりつつあることを示しており、若い有権者の間ではエリート主導の「正常な」政治秩序に対する疲弊も見られる。

石破茂首相が率いる自民・公明の与党連合は、今回の参議院選挙で過半数維持に必要な50議席の確保を目指したが、最終的に47議席にとどまり、参議院のみならず衆参両院の多数派を失う結果となった。自民党が両院の支配権を喪失するのは、1955年の結党以来初めてとなる。党内からは退陣を求める声が強まっているが、石破氏は辞任を否定し、続投の姿勢を崩していない。

石破氏にとって最大の脅威となったのは、中道左派の立憲民主党ではなく、新興政党による保守票の分散だった。中でも注目を集めたのが、「日本人ファースト」を掲げる極右政党「参政党」である。こうした新党の台頭が有権者の関心を呼び起こしたとみられ、投票率は59%と、2012年以来の高水準を記録した。

参政党の台頭への道のり

参政党の英語の正式名称は「Party of Do It Yourself」で、2020年3月に登録設立され、4月に本格的な活動を開始した。同党はYouTubeを起点とし、初期にはワクチン陰謀論の拡散やグローバリズムエリート批判などの内容で注目を集めた。現在47歳の党首である神谷宗幣氏は、元スーパーマーケット店長兼英語教師である。海外メディアはこの右派政党がいかに台頭したか、そしてその背景にある深層的意味を詳細に分析している。

一、日本人ファースト

アメリカのトランプ大統領や、近年の欧州での極右政党の台頭と同様に、「日本人優先」を掲げる参政党のスローガンは有権者の共感を集めている。NHKが実施した選挙前の世論調査によると、29%の有権者が社会保障や少子化対策を最も重視しており、過去1年で倍増したコメの価格に不安を抱える層も28%に上った。一方で、石破茂首相にとっての難題である関税を最重要課題に挙げた有権者は、わずか8%にとどまった。

『日本経済新聞』は、参政党の選挙での躍進は、「国民優先」や反グローバリズムといった世界的な潮流が日本にも波及している証左だと分析する。経済の低迷による社会の停滞感が強まるなか、参政党は既存政党や官僚エリートの政策が国民の利益を無視していると批判し、支持を広げている。51歳の支持者、小枝義之氏は『エコノミスト』誌の取材に対し、「参政党こそが、日本の重大な問題を真に解決できる唯一の政党だ」と語った。 (関連記事: 「日本版トランプ」神谷宗幣氏率いる参政党が14議席獲得 自民大敗で右派が急伸 関連記事をもっと読む

二、移民制限

人口減少が進む中で、日本は外国人労働者にますます依存するようになっている。昨年の外国人労働者数は230万人に達し、全労働力の約3%を占めた。これは英独の約20%と比べれば少ないものの、10年前の3倍に当たる急増ぶりだ。参政党は、政府が大企業の意向を受けて安価な労働力を導入し、日本人の賃金を押し下げていると批判している。『ガーディアン』は、同質性が高く文化的な一体感を重視する日本において、外国人労働者の受け入れは今なお不安を呼んでいると指摘する。

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