トランプ氏「中国は我々と取引したがっている」 対中関税の引き下げ検討を表明

米国大統領トランプ。(AP通信)

米国のドナルド・トランプ大統領は4日、テレビインタビューで、中国からの輸入品に対する関税を将来的に引き下げる用意があると表明した。高関税が世界第2位の経済大国である中国との商取引をほぼ停止状態に追い込んでいるためだ。

現在、米国は中国からの輸入品に対して最大145%(一部品目では245%)の関税を課しており、中国側も米国製品に125%の関税を課している。ブルームバーグは、こうした措置が世界市場を混乱させるだけでなく、製造設備や米国人が日常的に使用する衣料品やおもちゃなどの低価格品の値上げを引き起こす可能性があると指摘している。

トランプ氏は4日、NBCの番組「Meet the Press」で司会のクリスティン・ウェルカー氏のインタビューに応じ、「いずれの時点で関税を引き下げるつもりだ。さもなければ彼ら(中国)と取引などできない。彼らは我々との取引を非常に望んでいる」と語った。

また、トランプ氏は最近の中国経済の苦境にも触れた。中国国家統計局が発表した製造業購買担当者景気指数(PMI)によれば、同国の工場活動は2023年以来最も深刻な縮小局面にあるという。新規輸出受注は2022年12月以来の低水準となり、2022年4月の上海ロックダウン以来最大の減少幅を記録した。

さらに、トランプ氏は最近の中国側の声明を評価し、「前向きで建設的だ」と述べた一方で、いかなる合意も「公平」でなければならないと強調した。中国は先週金曜日、米国との貿易交渉の可能性を検討していると発表。これは先月、トランプ氏が新たな関税を発表して以来、初めての前向きなサインであり、中国商務省も「現在検討中」と認めた。これを受けて米国株式市場は上昇した。

一方、トランプ氏は4日、大統領専用機エアフォースワン内でメディアに対し、現時点では中国の習近平国家主席と会談する予定はないと述べ、「両国は別の問題を協議中だ」と語った。さらに、米国は中国を含む複数国と貿易交渉を進めているとし、「公平な合意」を目指す立場を改めて表明。加えて、「中国は長年我々を搾取してきた」と再び批判した。 (関連記事: 習近平政権、一部米製品に静かに譲歩 中国経済の弱点が露呈か 関連記事をもっと読む

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編集:梅木奈実

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