大阪・関西万博で「EXPO KYOTO MEETING」開催 伝統と未来、若者と地域が融合 ― オール京都の魅力を世界へ発信

大阪・関西万博会場にて「EXPO KYOTO MEETING」が開催。(資料写真:公益財団法人 フォーリン・プレスセンター)
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大阪・関西万博会場の「シャインハット(EXPOホール)」にて、「和のこころと地球の未来」をテーマとした「EXPO KYOTO MEETING」が開催された。主催は大阪・関西万博きょうと推進委員会。京都の伝統文化とサステナブルな未来への提案を軸に、トークセッションやステージパフォーマンスを通じて、世界に向けてオール京都の魅力を発信する場となった。

イベントでは、京都の伝統芸能をはじめ、大学生によるアップサイクルファッションショーや、高校生・大学生のユース世代による発表、国際的な有識者によるトークセッションなど、世代や分野を越えた共創のプログラムが展開された。

京都の魅力を世界へ発信、イベント内容

オープニングでは、花街・宮川町の芸舞妓による舞踊と、京都両洋高校吹奏楽部の演奏が披露され、京都文化の格式と若い感性が融合する幕開けとなった。続くパフォーマンスでは、「京炎そでふれ!」や「ふろしきパフォーマンス」など、京都の風土を背景にした創作が来場者を魅了した。

ステージ上では、総合地球環境学研究所の山極壽一所長や、生命誌研究家の中村桂子氏、ウクライナ国立バレエの寺田宜弘監督、東ティモールの環境活動家エゴ・レモス氏らが、「いのちとこころ」「地域からつながる未来」「百寿社会とウェルビーイング」「人間とは何か」などのテーマで意見を交わした。

ファッションセッションでは、京都府内8大学から集まった学生23名が、着物の残反や帯などを再利用した「KIMONO UPCYCLE RUNWAY」を披露。VOGUE JAPAN編集長のTiffany Godoy氏らが参加し、伝統と革新の融合について議論した。

さらに、宇治市と京都アニメーションのコラボ映像「うじには物語がある」が上映され、アニメを通じた地域PRの可能性も紹介された。クライマックスには、ウクライナから来日したバレエダンサーAnastasiia Shevchenkoと寺田バレエ・アートスクール、Dance Barbizonによるダンス公演「日本人の忘れ物」が披露され、観客に深い感動を与えた。

会場内では、ふろしきやリユース着物を用いた物販・体験コーナーも設けられ、着物の着付け体験などを通じて訪問者が京都文化に直接触れる機会が提供された。

若者の活躍も目立ち、京都市立西京高校の生徒が司会や映像制作、来場者案内を担当。EXPOの現場で実践を積む「ユースアンバサダー」として、未来の京都を担う姿を印象づけた。

なお、本イベントに関連し、京都市左京区ではシンポジウム「未来予想図~ウクライナ・アメリカ・日本の今と、世界のこれから~」も開催。寺田宜弘氏、未来戦略家のAmy Webb氏、春光院の川上全龍住職らが登壇し、国際社会の課題と展望について語った。

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