アメリカ・トランプ大統領の関税猶予期間が残り1か月となり、その中での日米交渉は世界の投資家にとって非常に関心のある焦点である。これについて、淡江大学財務金融学科の段昌文博士が番組《財経一路発》で分析し、「日本は絶対に円高を許さない」と述べた。理由は、日本は高額の対外投資によって大きな為替損失を受けることになるだけでなく、実はアメリカの手法を学んでいるからであるという。円安を通じて「一部の国債を帳消しにする」ことも目的としている。
段昌文氏は述べた。アメリカの主な目的は当然ながら円高であるが、日本側は絶対に応じない。というのも、日本の対外純投資残高は533兆円、約3.8兆ドルで、昨年より約12%増である。
しかし、日本経済には非論理的な面があると、段氏は指摘する。日本は輸入依存型の国であり、2011年以降貿易赤字を抱えているにもかかわらず、対外資産を増やし続け、債権国の地位を保持している。日本銀行は5月末に「利上げの可能性」を示唆したが、円は理論上それに伴い上昇すべきだった。しかし、実際には円安になった。これらは「基本的に不合理であり、まさに円の不自然な点である」と段氏は強調する。
司会者の阮慕驊氏も、日本は多額の資金を海外に投資しており、もし円が上昇すれば、これらの資金は大きな損失に直面する可能性があることを指摘した。段昌文氏は「絶対にそうである」と述べ、日本は多くの紙幣を印刷したが、国内には流れず、30年間でインフレ率が微増した程度である。ほとんどの円は外国に流れ、外国為替市場で他の通貨に交換された。
阮氏は、日本の533兆円の海外投資が円高に10%なれば、3800億ドルの為替損失に直面することになり、日本が大幅な円高を許すはずがないと述べた。段氏も、「日本が大人しく従うことはありえない」と言い、日本の民間企業と政府の純負債は1800兆円に達しており、日本政府としては「大を守り小を守らず」、すなわち債務を優先して守るためであると示唆する。
段昌文氏は総括して述べ、日本は「円高を絶対に許さない」と考えている。なぜなら、日本の債務がGDPの総額の中で占める割合はIMFの推計で約246%、日本自身の評価では260%を超えており、これらの債務を円安を通じて、「帳消しにできる」のは可能だからだ。つまり、日本もアメリカの手法を取り入れようとしているのである。
編集:佐野華美
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp