トランプ氏がシリコンバレーに再接近!マスク氏に代わる「新たな協力者」は誰?

2025-06-10 16:05
2025年5月19日、NVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏(写真)が、19日に台北流行音楽センターで行われた基調講演を担当した。(写真/劉偉宏撮影)
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「​​古代ギリシャの寓話に登場するイカロスと同じように、マスク氏は太陽に近づきすぎると、蝋でできた翼が溶けて墜落することを身をもって体験した。」​

創投会社Menlo Venturesのパートナー、ウィンキー・ガネシャン氏(Menlo Ventures)

トランプ2.0の就任式で、ティム・クック氏、マーク・ザッカーバーグ氏、ジェフ・ベゾス氏、スンダー・ピチャイ氏がそろって就任式に現れる姿は、まるで「大統領山」のようだった。そこには、AI業界の旗手サム・アルトマン氏や、かつてトランプの移民政策に抗議し空港に駆けつけたセルゲイ・ブリン氏の姿もあった。そしてもちろん、選挙期間中からトランプ氏を支持し、就任式当日には演説まで行ったイーロン・マスク氏は、当時、トランプ氏と最も近い距離にいたシリコンバレーのスターだった。

2025年1月20日,馬斯克、貝佐斯、祖克柏等科技巨頭參加川普的總統就職典禮。(美聯社)

2025年1月20日、イーロン・マスク氏、ジェフ・ベゾス氏、マーク・ザッカーバーグ氏らテクノロジー界の巨人たちがトランプ氏の大統領就任式に出席した。(AP通信)

だが、関係は一変した。マスク氏が政府の効率担当の役職を降りた後、トランプ氏とのあいだに亀裂が入り、今では互いを非難し合い、時には脅しとも取れる発言を交わすような関係にまで悪化している。

この状況に対し、『ニューヨーク・タイムズ』は警鐘を鳴らす。マスク氏とトランプ氏の関係崩壊は、政界とシリコンバレーの間にあった蜜月関係に陰を落とし、今後ワシントン入りを狙うテック界の富豪たちは、「どちら側に立つか」という選択を迫られることになるかもしれないという。

とはいえ、マスク氏以外のシリコンバレーのトップたちも、かつては民主党の理念に共感し、政治家とは一定の距離を保っていたはずだ。それにもかかわらず、彼らがトランプ氏の就任式に足を運んだことは、「トランプへの忠誠」が新たなサバイバル戦略として定着しつつあることを示している。つまり、注目すべきは「誰がどちら側に立つか」ではなく、「トランプ氏がマスク氏の代わりに、誰を選ぶのか」なのかもしれない。

2025年1月19日,川普在美國第60屆總統就職典禮前的集會活動中發表講話,馬斯克也與他同台。(美聯社)
2025年1月19日、トランプ氏が米国第60代大統領就任式前の集会で演説し、マスク氏も同席した。(AP通信)

この問いに対して、『フォーチュン』誌は慎重な見方を示している。トランプ氏とマスク氏という、地球上でもっとも影響力のある2人がまだ決定的な決裂に至っていない以上、「次は誰か」と焦点を当てるのは時期尚早だという見解だ。また、それ自体が些細な問題とも取られかねない。

しかし、トランプ氏が見せてきた予測不能な貿易政策、そしてアメリカ大統領の“ご機嫌”を取ることによって得られる莫大な利益を考慮すれば、「マスクの空席」に目を付けるテック界の戦略家が動き出すのは当然ともいえる。
私的な関係を武器に、自社の産業を政権にとって“必要不可欠な存在”へと押し上げようとする動きは、むしろ現実的だ。

とはいえ、楽観視はできない。ニューヨーク・タイムズは、「テック業界がトランプに近づくことで、これまで何を得られたのか?」という疑念が、業界内では根強く存在していることを伝えている。 (関連記事: マスク氏の怒り爆発!トランプ氏との決裂「巨額支援の裏切られた約束」 関連記事をもっと読む

シリコンバレーの重鎮たちは、まだトランプ氏との関係に明確な立場を示していない。だが、《ビジネス・インサイダー》《フォーチュン》などの経済メディアは、「トランプ不在の空白」は長くは続かないとし、新たな“テック同盟者”候補についての分析を始めている。
《ビジネス・インサイダー》は特に、トランプ氏の返り咲きとともに再編されるビジネスロビーや政界との関係性に着目し、最有力とされる“テック界の右腕”候補を
挙げている: