民進党が今年4月に設立した青年局が、6月4日に初の局務会議を開催した。会議には、党主席の頼清徳氏や林右昌氏が出席し、青年局長の陳冠廷氏から活動報告を受けた。会議では、青年局の今後の展開や海外訪問計画、局内研修の方針について意見が交わされた。
頼氏は挨拶で、青年局の設立を高く評価し、陳氏に対して責任ある役割を引き受けたことへの感謝を述べた。また、若い世代が国家の未来を切り開く重要な存在であり、青年局幹部の役割は非常に大きいと強調。今後は台湾と日本の政党間の関係を深め、さらに米欧へと交流の場を広げ、党外交の柱として成長することを期待すると語った。
さらに頼氏は、政策だけでなく、人と人との交流や対話が国際関係の礎となると述べ、他国と関係を築く際には、政治的なテーマだけでなく、言語や社会、文化、食生活への理解も不可欠だとした。そうした「基本」が、長く続く信頼関係のベースになると語った。
日本との関係については、先人たちの努力によって築かれてきた信頼の歴史に触れ、青年局の幹部がこの絆をさらに強め、多方面でのパートナーシップを広げていくよう励ました。安全保障、経済、産業、貿易、社会、文化、スポーツなど、幅広い分野での交流推進を呼びかけた。

産業分野では、特に人工知能(AI)活用における日台の補完関係に注目。台湾はハードウェアと製造技術に強みがあり、日本は素材、設備、技術に長けており、半導体産業チェーン全体で相乗効果が期待できるとした。また、両国の情報共有と相互理解を深めるにはシンクタンク交流が重要であり、青年局が積極的に訪問を行うべきだと述べた。
林右昌氏も挨拶で、まずは日本の与党・自民党との定期的な対話の仕組みづくりが最優先課題であると述べた。その上で、今後は他の野党との交流も広げていく考えを示した。今年初めには日本の主要政党を訪問し、党首クラスとの対話を通じて、台日政党間交流の新たな枠組みが形づくられたと説明。日本側の民進党に対する注目度の高さを示す成果だったとしている。
今後は、政府全体として日本との多層的な交流を推進し、自民党との「2+2対話」メカニズムに加えて、青年局間の定期的なやりとりも本格化させていく方針だ。
青年局長の陳冠廷氏は、プレゼンテーションで「青年局は民進党にとって世界の変動に対応するための戦略的投資」と述べ、自身が初代局長として責務を果たす覚悟を語った。若者の視点を取り入れた政策立案と人材育成、国際的なつながりの強化を柱とする短期・中期・長期の計画を頼氏に報告した。
今回の会議には、執行副局長の呉沛憶氏、沈伯洋氏、黄捷氏、副局長の蔡易餘氏、張雅琳氏、鄭孟洳氏、沈震東氏、山田摩衣氏らも出席した。
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