張育陞選手は2019年から日本プロバレーボールリーグのVOREAS北海道で活躍しており、9月には《風傳媒》のインタビューを受け、その心の旅路について語りました。日本に進出することになった経緯について話す中で、現在同じチームでプレーしている台湾の先輩、陳建禎選手にも特に言及しました。彼は、「ブラックドッグ(陳選手のニックネーム)は私の目標であり模範です。同じチームで一緒にプレーできることをとても嬉しく思っています」と強調しました。また、昨年の杭州アジア大会の試合についても印象に残っていると述べましたが、残念ながら良い成績を収めることはできませんでした。
張育陞選手のバレーボールキャリアは非常に早くから注目されており、かつて「最強の高校生」とも呼ばれていました。台中出身の彼は、豊原高商に通っていた高校時代、2017年の高校バレーボールリーグの決勝戦で、5セット目で一人で6点を獲得し、チームを5連覇の偉業へと導きました。2019年には海外に進出し、当時は日本バレーボールリーグの二部リーグに所属していたVOREAS北海道に加入しました。2020/2021シーズンには敢闘賞、ベストサーバー賞などの個人賞を獲得し、2021/2022シーズンではチームが優勝し、最高栄誉選手賞、得点王、ベストサーバー賞などを再び獲得しました。2022/2023シーズンではチームが再び優勝し、多くの個人賞を受賞しました。また、同年には大分三好ヴァイセアドラーを打ち負かし、見事に一部リーグへの昇格を果たしました。
張育陞選手は、小学四年生の頃からバレーボールを始めたと述べました。当時は運動が好きで、大雅国小のバレーボールチームが有名だったため、入部し、その後ずっとプレーを続けています。バレーボールの競技に取り組む中で困難や挑戦に直面したかどうかについては、「これまでずっとプレーしてきた中で一番大切なのは、自分の性格だと思います。自分は負けず嫌いな性格で、同時に試合に出るチャンスを必死で掴もうと努力してきました」と語りました。
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日本に渡った理由について、張育陞選手(右)は、「当時19歳で、先輩の陳建禎選手が海外で活躍しているのを見て、自分も日本でプレーすることを最初の目標にしました」と話しました。(北海道VOREAS提供)言葉の壁も乗り越えて――張育陞選手が語る、日本での苦難と今の自信
日本に進出することになった理由について、張育陞選手は、「当時19歳でしたが、ブラックドッグ(陳建禎選手)が海外で活躍しているのを見て、自分も日本でプレーすることを最初の目標にしました。日本のプロバレーボールリーグはアジアで非常にレベルが高く、男子バレーもトップクラスの水準です。自分の実力を試してみたいと思いました」と述べました。また、「19歳で初めて日本に来たときは、英語も日本語もできなかったので、言葉を覚えるのに多くの苦労がありました。さらに、初年度は当時のチームキャプテンと同じポジションだったため、ほとんど出場機会がありませんでした。そのため、言語や技術の面で大きな挫折を感じましたが、今は克服できたと思います」と振り返りました。
チームの先輩である陳建禎選手は、VOREAS北海道に復帰した理由について「張育陞選手をサポートするため」と笑いながら語っています。一方、張選手にとって陳選手は、精神面でも大きな支えとなる存在であり、困難な場面で頼れる先輩です。張選手は、「自分はまだ若く、時には悩みすぎてしまうこともあります。そんなときは陳選手に相談し、会話を通じて技術面だけでなく、精神面でも成長したいと考えています」と話しています。また、自身のポジションがチームの得点源であるという自覚を持ちつつ、陳選手の存在に刺激を受け、さらなるレベルアップを目指しています。
張育陞選手は、これまでの変化について次のように語りました。「今では日本語で仲間とコミュニケーションを取り、意見交換もできるようになり、人間関係も深まってチームにしっかり溶け込めています。また、技術面でも多くを学び、試合でのパフォーマンスも向上しました」。さらに、彼にとって日本での最大の目標は個人賞やチャンピオンシップの獲得ではなく、チャレンジマッチに勝利してチームをV1リーグに昇格させることだったといいます。チームの昇格を果たしたことは、自分にとっても大きな達成感であり、その結果に貢献できたことを誇りに思っているそうです。
張育陞選手は、陳建禎選手(写真右から2番目)が、自分にとって心の面で成熟した先輩であるだけでなく、助言を求める大切な存在でもあると述べています。(北海道VOREAS提供)「悔しさが今の原動力」 張育陞、昇格を逃したチャレンジマッチとアジア大会の記憶
張育陞選手が日本で特に印象に残っている試合は、2021-2022シーズンのチャレンジマッチでのVC長野戦です。レギュラーシーズン最後の試合で膝を負傷し、2週間後のチャレンジマッチに出場できるか不安がありましたが、最終的に復帰を果たしました。VC長野との対戦は1勝1敗となりましたが、得点率の差で昇格には届きませんでした。張選手は「結果は残念でしたが、あの2試合は非常に印象深いものでした。短期間で治療とリハビリを経て、日本で最高の状態でプレーでき、素晴らしいパフォーマンスを発揮できたと思います」と振り返りました。
国際大会で台湾代表として出場した経験について、特に2023年の杭州アジア大会を挙げました。若く、慣れないオポジットスパイカーのポジションで先発出場したものの、チームは11位と満足のいく結果を残せませんでした。張選手は「海外でのプレー経験はすでに数年ありますが、まだ能力やメンタル面での成長が必要だと感じています。最高のパフォーマンスを発揮できなかったことは悔いが残ります。チームの先輩である戴儒謙選手や陳建禎選手にとって、この大会が最後の中華隊での出場かもしれません。完璧な結果を残したかったのですが叶わず、今後も努力を重ね、より良い成績を目指していきたいと思います」と語りました。
日本のプロバレーボール選手、張育陞選手はチームの得点源です。(北海道VOREAS提供)「続けることが一番難しい」 張育陞、海外で戦う覚悟と台湾選手への期待
日本プロバレーボールリーグは今シーズン、試合数の増加や昇降格制度の廃止などの変革が行われました。現在の目標について、張育陞選手は、「自分の能力をさらに向上させ、今シーズンでより良い成績を収め、健康でシーズンを終えることを目指しています」と語りました。また、近年、多くの選手が海外でプレーしていることについて、「本当に海外でプレーしたい選手は、しっかりと決意を固め、過度に心配しないことが大切です。国外に出ること自体はそれほど難しくありませんが、続けて頑張ることは非常に難しいです。台湾の選手たちは基本的に良い身体素質を持っているので、海外でプレーする際には、本当に努力する必要があります。単に海外での経歴を積むためだけではありません」と強調しました。