「国産より安いのに美味い!」台湾米が日本のスーパーで品切れ続出

2025-06-07 17:25
台湾米やアメリカ米、ブレンド米が日本のスーパーで飛ぶように売れ、1週間以内に完売するほどの人気で、国産米を上回っているという。(写真/陳乃慈氏撮影)
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​国産米の価格高騰が続く中、日本の消費者が「手頃でおいしい米」を求めて輸入米に目を向けはじめている。最近、朝日新聞の記者が広島にある有名スーパー「FRESTA横川本店」を取材したところ、台湾米やアメリカ米、政府が放出した備蓄米などの「調和米」が国産米以上の人気を集めていることがわかった。いずれも入荷から1週間以内に売り切れることが多く、需要に供給が追いついていない状況だ。

​台湾米&輸入米が異例の「爆売れ」

店頭価格を見ると、5キロの国産米が約5000円に対し、備蓄米を含む調和米は3480円、台湾米(4キロ)は3180円と、輸入米のほうが手に取りやすい価格帯になっている。最近では輸入米の価格も若干上昇しているが、それでも「コスパ」の良さが光っており、加えて「意外とおいしい」という口コミも後押ししている。

​記者たちは台湾米、アメリカ産のカリフォルニア米、広島県産コシヒカリ、調和米の4種を使い、ブラインドテストも実施した。1キロあたりの税抜価格で見ると、コシヒカリが1140円、台湾米が823円、アメリカ米が795円、調和米が718円だった。

試食の結果、アメリカ米は粒がわかりやすく、食感がふわりとしている。台湾米は粘りがあり、少し甘みがある。調和米は一般的な日本家庭で馴染みのある白飯の風味に非常に近い。各種米の風味と口感がそれぞれの特徴を持ち、消費者は米選びの基準を見直し始めており、国産が唯一の選択肢ではなく、輸入米でも美味しさとコストパフォーマンスを兼ね備えられることが発見されている。

炊き上がったごはんを比較すると、見た目や香りに大きな差はなく、国産と輸入の区別がつかなかった記者もいた。実際、アメリカ米はふわっと軽く、粒が立っている。台湾米はもっちりした粘りとほんのりした甘みが特徴で、調和米は昔ながらの家庭の白飯に近い味わいだった。

「国産が一番」という固定観念が揺らぎはじめ、消費者は味や価格を重視して米を選ぶようになっている。輸入米もおいしさとコスパの両方を兼ね備えた選択肢として注目され、日本の食卓に、新しいスタンダードが生まれつつある。

編集:田中佳奈