台湾・新竹県の湖口郷で生産される白米が、日本市場での輸出を大きく伸ばしている。今年の輸出量は昨年の倍に達し、台湾米の香りが再び日本の食卓に広がっている。9日午前、農業部長の陳駿季氏、新竹県長の楊文科氏、湖口郷農会の総幹事・周星江氏らが、湖口郷農会の農産加工工場で輸出用コンテナの白米封印作業を視察。台湾米が日本市場でしっかりと定着し、さらに海外へと広がることを期待しているという。
新竹県米が日本輸出の農薬残留検査に合格、品質が国際的に認められる
湖口郷の農地面積は2,057ヘクタールあり、そのうち水稲は1,200ヘクタールで、年産量は約6,000トン。農会は農糧署と連携して毎年4,500トンの公共穀物を収集し、海外援助や国軍の食料、酒類製造用などに供給している。台湾米の輸出は2020年にスタートし、日本への輸出は初年度に3,200トンを記録。以後、競争力のある台湾産コメとして注目されてきた。
農業部の陳氏によると、農業部は日本の流通業者とのマッチングイベントを開催し、東京での食品展示会出展支援などを通じて、輸出市場開拓を後押ししてきた。今年1〜5月の台湾米の日本向け輸出量は7,759トンに達し、前年同期の6倍以上。昨年の年間輸出量の約2倍で、このままいけば年間1万トンを超える見通しだという。

楊氏は、「日本では近年、米不足や価格上昇が起きていて、台湾米にとって輸出拡大の好機」と話す。日本で販売される台湾米は、608項目にも及ぶ残留農薬検査をクリアする必要があり、新竹県産の米はその味・精米技術・安全性が国際的に高く評価されている。
また、湖口郷は新竹県内でも有数の米どころ。現在は県内の学校給食(栄養ランチ)に週2回有機米を提供する取り組みが進められており、湖口郷農会も農家への有機栽培への転換指導を行っている。郷内の有機水稲の認証面積は25ヘクタールを超え、新竹県全体では76ヘクタールに達している。これは政策の後押しにより、従来の3倍の規模に成長したものだ。周氏は、湖口郷産白米の輸出は今年も好調で、上半期だけで1,200トンを日本に出荷したと説明。4月下旬から6月上旬にかけて、「上達糧業国際株式会社」との連携でコンテナ封印を実施し、日本のスーパーでは小包装商品として販売されている。
さらに周氏は、中央政府の稲米産業高度化計画に基づき、湖口郷では契約栽培の推進にも力を入れており、農民たちは農薬使用の最適化や施肥の合理化研修、農業改良場からの技術指導を受けているという。現在、TGAP(台湾良好農業規範)認証を受けた水稲の生産履歴面積は460ヘクタールを超えており、湖口郷は国内米の品質とブランド力向上に寄与している。
今後、農会は輸出専用区の設置を目指し、産業規模や付加価値をさらに拡大させることで、農家がより安定した収益を得られる体制を築く考えだ。台湾米が日本市場でしっかりと定着し、さらに海外へと広がることを期待しているという。
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編集:田中佳奈
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