東京レインボーパレード盛大に開幕!台湾、5度目の参加で平等の声援

2025-06-09 12:32
ジェンダー多様性を祝うイベント「東京プライド2025」が東京・代々木公園で盛大に開催され、台湾も5回目となるチーム参加を果たした。(写真/黄信維撮影)

アジア最大級のジェンダー多様性イベント「Tokyo Pride 2025」が、6月7日と8日に東京・代々木公園で開催された。8日の午後にはパレードが渋谷や代々木を巡り、盛大に行われた。

今年のテーマは「Same Life, Same Rights」。性的指向や性自認、出身背景に関係なく、すべての人に人生を選ぶ権利が等しくあるべきだというメッセージが込められている。企業やNPO、市民団体などが参加し、昨年の27万人を超える来場が見込まれている。

​会場には多彩なブースが立ち並び、その中でも注目を集めたのが「Marriage For All Japan」によるインタラクティブ展示《PRIDE VISION》。スマートフォンを使って候補者のポスターを読み取ると、同性婚への賛否がARで表示される仕組みだ。「全国の7割以上が同性婚に賛成しているのに、政治はいまだ平等を実現していない」という訴えも込められている。このツールは7月の参院選に向けてさらに拡大される予定で、候補者の姿勢を可視化する狙いがある。

「Marriage For All Japan」がデザインしたインタラクティブデバイス《PRIDE VISION》(黄信維撮影)
「Marriage For All Japan」がデザインしたインタラクティブデバイス《PRIDE VISION》。(写真/黄信維撮影)

台湾からの「TEAM TAIWAN」は、今年で5度目の参加。台湾パートナーシップ権益推進連盟と台湾レッドリボン財団が共同で主導し、過去には同性婚がまだ合法化されていなかった時期にも東京の街を歩いた。今年のテーマは「多様な日常」。LGBTIというラベルではなく、日々の暮らしの中で自然な存在であることをアピールした。台湾ブースも登場し、人気インディーズバンドP!SCOの署名入りアルバムなども販売された。

今回の台湾フロートは、玉山のシルエットと半導体チップのラインを融合させ、民主主義のたくましさと科学技術による平等の共存を表現。制作は紅楼ボタンとBNI新竹Bエリア創葳分会が手がけ、森国聯創がインフルエンサーのVicky老絲を現地に招いた。メディアとしてはLEZS女人国も協力し、ファッションデザイナーの汪俐伶氏が高齢者、障がい者、パートナー、クィアなど多様な立場を象徴する衣装8点を制作した。

ジェンダー多様性イベントTokyo Pride 2025が東京代々木公園で盛大に開催され、駐日代表李逸洋も直接参加した。(黄信維撮影)
ジェンダー多様性イベントTokyo Pride 2025が東京代々木公園で盛大に開催され、駐日代表李逸洋も直接参加した。(写真/黄信維撮影)

現地には、台北駐日経済文化代表処の代表である李逸洋氏も姿を見せ、TEAM TAIWANとともにパレードを歩いた。李氏は、台湾がアジアで初めて同性婚を法制化した2019年以降、すでに1万2千組以上が結婚登録を終えており、平等社会への歩みを進めていると語った。

また、李氏は台湾が民主改革を進める中で、ジェンダー平等や女性の政治参加にも大きな成果をあげてきたと指摘。自身が行政院人事行政局長だった頃に創設した「金馨賞」は今年で24回目を迎え、毎年行政院長から授与される。これは中央・地方におけるジェンダー政策推進の象徴として根づいている。

今回のパレードには、台湾パートナーシップ権益推進連盟の理事長・許秀雯氏や、台湾レッドリボン財団の董事長で元嘉義市長の涂醒哲氏も参加。民間社会として、ジェンダー平等やHIV予防、多様な共生に取り組んできた姿勢をあらためて示した。涂氏は最後まで自らの足で行進を歩き切った。

​編集:田中佳奈