台湾人女性、スカイツリーの台湾祭勤務中に「社長に尻を掴まれた」LINEで抗議も否定され、警察も対応せず

2025-06-09 13:06
日本で働いていた台湾人女性が、スカイツリーの台湾祭勤務中に勤務先の社長から性的嫌がらせを受けたとして、SNSや報道機関を通じて被害を訴えている。(写真/黃信維撮影)

日本で働いていた台湾人女性が、勤務先の社長から性的嫌がらせを受けたとして、SNSや報道機関を通じて被害を訴えている。女性は社長による身体接触と職場での不適切な言動があったと主張し、日本の警察に通報したものの、対応が消極的だったことにも強い不満を示している。

女性Threadsに投稿した内容によると、2025年4月に東京・新橋近くの台湾料理店に採用され、スカイツリーで開催されたイベント「台湾祭」において、牛肉麺ブースへ実習として派遣されたという。

4月21日には社長と初めて顔を合わせ、給与や将来の雇用形態について面談を行ったが、その後の勤務中には社長による不適切な接触や言動が続いたという。女性は「頑張って」と声をかけられながら肩に手を置かれたり、狭い店舗内で社長が無言で冷蔵庫を開けて膝に接触するなどの場面が繰り返されたと述べている。

5月28日、イベント会場で同僚がこぼした台湾ビールが女性の服にかかった直後、社長が背後から近づき「今日も頑張ってね」と声をかけながら、女性の尻を2回強く掴んだという。女性は恐怖と衝撃でその場から動けず、同日夜、社長にLINEで抗議し、即日退職の意思を伝えた。これに対し社長は「腰を軽く叩いただけで、励ますつもりだった」と釈明し、セクハラの意図を否定した。勤務先には監視カメラが設置されておらず、他のスタッフも業務に追われていたため目撃者がいなかったことから、事実確認は困難な状況だったという。

翌日、女性居住地近くの池袋警察署に相談したが、事件が発生した場所は押上警察署の管轄であるとされ、対応を拒否された。押上署に連絡を試みたが、電話がつながらず再度池袋署に戻って相談したところ、「証拠不十分」として取り合ってもらえなかった。その後、押上署に出向いたものの、「通報が遅すぎる」との理由で、消極的な対応により、被害届の提出には至らなかった。

さらに、女性は同社の台湾人オーナーにも相談を行ったが、「社長と20年来の付き合いがあり、今までそんな話を聞いたことがない」としてセクハラの訴えを取り合わなかった。オーナーは会社の評判を気にする発言に終始し、「警察に言っても証拠がなければ意味がない」と笑いながら述べたという。

女性は精神的に大きなショックを受け、不眠や食欲不振などの影響も出ている。現在は台湾駐日代表処の支援を受け、弁護士と共に法的措置を検討している。

SNSではこの件に対し、「外国人労働者の人権保護を見直すべきだ」といった声が寄せられており、波紋が広がっている。

なお、女性は事件が発生したのは「台湾祭」の一角にあるブースであったものの、主催者やイベント自体とは無関係であることを強調している。

女性の投稿には日本のネットユーザーからも多くの反応が寄せられ、「腰でもセクハラです。普通に気持ち悪い」「迷惑をかけてごめんなさい」「日本人全員がそうではない。本当に申し訳ない」など、怒りや謝罪のコメントが続いた。女性自身も、投稿に多くの「いいね」が集まり、「応援しています」と励ましのコメントが相次いだことに感謝の意を示している。

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