日本の大手コンビニエンスストアチェーン「ローソン」は、今後6年間で中国や東南アジア各国に新たに5,000店舗以上を出店する計画を発表した。これは約80%の増加にあたる。ローソンの事業計画によれば、2031年度までに中国国内の店舗数を1万2,000店に拡大し、同期間中に海外全体の店舗数を1万4,000店まで増やす方針だ。これにより、日本国内と海外の店舗数を1対1の比率に近づけることを目指している。
『日経アジア』の報道によると、ローソンは創業50周年を迎えたことを機に、今後の持続的な成長を見据えて、海外市場への本格展開に舵を切る方針を固めた。日本国内市場の成長余地が限られているうえ、人口減少という明確な傾向が続いていることを踏まえた判断だ。実際、ローソンの国内店舗数は2021年に5万5,950店でピークを迎えて以降、横ばいの状態が続いている。
Japan's Lawson aims to expand in China and Southeast Asiahttps://t.co/BFi2Hy1NTh
— Nikkei Asia (@NikkeiAsia)2025年6月10日
単に店舗数で見ると、ローソンは日本国内で第3位であり、ファミリーマート(Family Mart)とセブンイレブン(Seven & i)の2大ブランドに次ぐ。
中国市場という最大の人口を擁する市場に注目するだけでなく、近年経済が成長している東南アジアもローソンの目に留まり、現職社長の竹増貞信は、この地域には巨大な成長空間があり、将来は「地域のニーズに適した」特色ある店舗を構築することに努めると述べた。例として、インドネシアのローソンでは、おでんの調味料を提供し、顧客が好みに応じてこの料理を楽しめるようにしている。中国では、伝統的な中国の月餅を基にした洋菓子も販売している。
ローソンの海外市場への進出を振り返ると、実は長い歴史がある。1996年には中国の上海に最初の海外店舗を開設した。2011年にはインドネシアへ、2012年にはハワイへ、2013年にはタイへ、2015年にはフィリピンへ進出した。今年2月までに、海外店舗数は7394店に達し、日本国内の店舗数(1万4694店)の約半分に相当する。

タイにある日系コンビニ・ローソンの店舗では、おでんも販売されている。(ローソン公式SNSより)

タイにある日系コンビニ・ローソンの店舗では、揚げ物も販売されている。(ローソン公式SNSより)
実は「ローソン」というブランドは、もともとアメリカの乳製品業者J.J.ローソンに起源を持つ。1975年に日本での事業を開始し、当初は肉製品やチーズなどの販売に加え、同年にコンビニエンスストアのフランチャイズ展開もスタートした。元のアメリカ企業は1985年に事業を売却して撤退したものの、ローソンは日本市場で着実に成長を続け、2024年まで日本で上場企業としての地位を維持していた。
ローソンはその独自の製品とプロモーション活動で知られており、例えば1986年に発売された唐揚げくんの唐揚げは、現在では店内の主要商品となり、累計販売数は45億個を超えている。2009年に発売された高級クリームロールケーキも、コンビニスイーツブームを引き起こした。これらの美味しくて独特な商品のおかげで、ローソンはファミリーマートとセブンイレブンの2大勢力の中でもしっかりと地位を保っている。
編集:柄澤南 (関連記事: 舞台裏》セブンイレブンが兵家の必争の地に!台湾だけでなく中国も戦時のコンビニ利用を計画:上陸後の補給基地として想定 | 関連記事をもっと読む )
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